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戦国時代を迎えるコンビニATM業界

セブン銀行のATM利用件数に異変

 セブン銀行が毎月公表している自社の「ATM利用件数」に異変が生じている。ATM1台当りの平均利用件数が減少傾向を強めており、例年利用が多い12月の月次実績は昨年、この10年間で初めて「1日100件」の大台を割り込んだ。2月7日に公表された今年1月の1台当り平均利用件数も86件と低迷している。
 セブン銀行によれば、1月の数字の落ち込みは「社内で想定していた通りの数字」というものの、あるATM運営会社の幹部は「コンビニATM事業をとりまく環境の厳しさが(セブン銀行の)最近の数字に表われている」と指摘する。同幹部は、コンビニATM利用件数の低迷について、「コスト削減策の一環としてコンビニATMの無料利用回数制限を実施する銀行が増加していること」「電子マネーの普及やキャッシュレス化の進展」と説明する。
 さらに、セブン銀行を悩ますもう一つの問題が浮上している。これからヒートアップするとみられるコンビニATMを巡る熾烈な競争だ。

ライバル二強に動き

 ファミリーマートは1月15日、店内に設置している「イーネットATM」において、業務提携するゆうちょ銀行のキャッシュカードによる利用手数料を、平日の日中などの時間帯で無料にした。これに先駆けて、ファミリーマートとゆうちょ銀行は、コンビニの店頭やテレビCMなどで「手数料無料化」のキャンペーンを大々的に展開。ゆうちょ銀行の顧客にとって、自行以外のATMで利用手数料が無料になるのは初めてのことであり、「これからは(ゆうちょ銀行の顧客が)ファミマに設置されているATMの利用に流れていく」(同幹部)とみられる。
 さらに、コンビニ「三強」の一角ローソンも今秋、銀行を開業する予定であり、ATM関連施策の強化に打って出ることが予想される。ローソンバンク設立準備会社には三菱東京UFJ銀行が出資していることから、同行顧客の利用手数料無料化などが考えられるほか、地銀との連携強化やフィンテックを活用した新ビジネスの展開も検討されている。加えて、ファミリーマートでも、親会社の伊藤忠商事と一緒にATMや金融事業の追加的なテコ入れ策を目下、検討している模様だ。こうした動きは、セブン銀行にとって脅威だろう。
 これまで盤石だったセブン銀行の牙城を切り崩すライバル二強。コンビニATM業界が戦国時代を迎えようとしている。

 

kizi20180129

ファミリーマートの店頭に置かれるキャンペーンののぼり