2010/07

平成22年6月における証券外務員資格試験に影響を与える改正は以下のとおりです。

1.「協会員における法人関係情報の管理態勢の整備に関する規則」の施行

(平成22年7月1日施行:日本証券業協会)

(1)概要

 この規則は、協会員における法人関係情報の管理態勢等の整備を図ることを目的としています。

 以下、当該規則の主な内容です。

ⅰ.社内規則の制定

 協会員は、法人関係情報の管理に関し、その情報を利用した不公正取引が行われないよう、次の各号に掲げる事項について規定した社内規則を定めなければなりません。

イ 法人関係情報を取得した際の手続に関する事項
ロ 法人関係情報を取得した者等における情報管理手続に関する事項
ハ 管理部門の明確化及びその情報管理手続に関する事項
ニ 法人関係情報の伝達手続に関する事項
ホ 法人関係情報の消滅又は抹消手続に関する事項
へ 禁止行為に関する事項
ト その他協会員が必要と認める事項

ⅱ.法人関係情報を取得した際の手続

 協会員は、法人関係情報を取得した役職員に対し、当該取得した法人関係情報を直ちに管理部門に報告するなど法人関係情報を取得した際の管理のために必要な手続を定めなければなりません。

ⅲ.法人関係情報の管理

① 協会員は、法人関係部門について、他の部門から物理的に隔離する等、当該法人関係情報が業務上不必要な部門に伝わらないよう管理しなければなりません。
② 協会員は、法人関係情報が記載された書類及び法人関係情報になり得るような情報を記載した書類について、他の部門から隔離して管理する等、法人関係情報が業務上不必要な部門に伝わらないよう管理しなければなりません。
③ 協会員は、法人関係情報が記載された電子ファイル及び法人関係情報になり得るような情報を記載した電子ファイルについて、容易に閲覧できない方法をとる等、法人関係情報が業務上不必要な部門に伝わらないよう管理しなければなりません。

(2)対応策と結論

 この改正は、証券外務員試験に出題される可能性が高いと考えられます。したがって、内容の把握と問題の対応が必要です。

2.「反社会的勢力との関係遮断に関する規則」の制定等

(平成22年7月1日施行:大阪証券取引所)

(1)概要

 日本証券業協会は、反社会的勢力との関係遮断に関し、必要な事項を定め、会員の健全な業務の遂行の確保並びに反社会的勢力の金融商品取引及び金融商品市場からの排除を図り、資本市場の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的に当該規則の制定等を行いました。
以下、当該規則の主な内容です。

ⅰ.取引の禁止等

 会員は、原則として、相手方が反社会的勢力であることを知りながら、当該相手方との間で有価証券の売買その他の取引等を行ってはなりません。また、会員は、相手方が反社会的勢力であることを知りながら、当該相手方への資金の提供その他便宜の供与を行ってはなりません。

ⅱ.基本方針の策定及び公表

 会員は、反社会的勢力との関係遮断のための基本方針(以下、基本方針)を策定しなければなりません。また、会員は基本方針を社内に周知するとともに、当該基本方針又はその概要を公表しなければなりません。

ⅲ.反社会的勢力でない旨の確約

 会員は、初めて有価証券の売買その他の取引等に係る顧客の口座を開設しようとする場合は、あらかじめ、当該顧客から反社会的勢力でない旨の確約を受けなければなりません。

ⅳ.反社会的勢力を排除するための契約の締結

 会員は、顧客から有価証券の売買その他の取引等の注文を受ける場合は、次の事項を契約書又は取引約款等に定めなければなりません。

①前条の確約が虚偽であると認められたときは、会員の申出により当該契約が解除されること
②顧客が反社会的勢力に該当すると認められたときは、会員の申出により当該契約が解除されること
③顧客が暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求行為等を行い、会員が契約を継続しがたいと認めたときは、会員の申出により当該契約が解除されること

ⅴ.審査の実施

 会員は、初めて有価証券の売買その他の取引等に係る口座を開設しようとする顧客について、当該顧客が反社会的勢力に該当するか否かあらかじめ審査するよう努めなければなりません。さらに、会員は有価証券の売買その他の取引等に係る口座を開設している顧客について、反社会的勢力に該当する者がいないか定期的に審査するよう努めなければなりません。また、顧客が反社会的勢力に該当する者であるとの疑いが生じた場合には、当該顧客について反社会的勢力に該当するか否か審査しなければなりません。

ⅵ.契約の禁止・関係の解消

 会員は、審査の結果、顧客が反社会的勢力であることが判明した場合は、当該顧客と契約を締結してはなりません。ただし、金融商品取引及び金融商品市場から反社会的勢力を排除するときを除きます。また、審査の結果、顧客が反社会的勢力であることが判明した場合は、可能な限り速やかに関係解消に努めなければなりません。

ⅶ.社内管理態勢の整備

 会員は、基本方針を実現するための社内規則を制定し、これを役職員に遵守させなければなりません。

(2)対応策と結論

 この改正は、証券外務員試験に出題される可能性が高いと考えられます。したがって、内容の把握と問題の対応が必要です。

3.「株価指数先物取引に関する業務規程及び受託契約準則の特例」の一部改正及び「株価指数オプション取引に関する業務規程及び受託契約準則の特例」の一部改正

(平成22年7月20日施行:大阪証券取引所)

(1)概要

大阪証券取引所は投資家の利便性向上の観点から、株価指数先物・オプション取引に係るイブニング・セッションの取引時間がこれまでの午後8時までから午後11時30分までに延長されます。

(2)対応策と結論

 証券外務員試験において、イブニング・セッションの取引時間についての詳細な問題が出題されたことはありませんので、問題等の対応は必要ないと考えられます。

 上記以外にも、国内のすべての証券取引所において「四半期決算に係る適時開示の見直し及びIFRS任意適用を踏まえた上場制度(上場規程)整備に伴う関連諸規則」の一部改正等が行われました(平成22年6月30日施行)。

 また、日本証券業協会において「債券の空売り及び貸借取引の取扱いに関する規則」及び「債券等の条件付売買取引の取扱いに関する規則」の一部改正が平成22年7月1日付けで行われ、東京証券取引所において「配当指数先物取引の導入に伴う指数先物取引に関する業務規程及び受託契約準則の特例等」の一部改正が平成22年7月26日付けで行われます。

 これら改正は現時点において証券外務員試験で出題される可能性はきわめて低いので、詳細の記載は省略いたします。

以上

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