2011/03

平成23年2月における証券外務員資格試験に影響を与える改正は以下のとおりです。

「取引時間の一部見直しに伴う業務規程等の一部改正」の施行

(平成23年5月9日施行:東京証券取引所)

(1)概要

 この改正は、現物商品(午前立会を行わないものを除く)に係る立会市場の取引時間を午前立会の売買立会時を30分延長し、午前9時から午前11時30分とするものです。
 これにより終値取引については、前場終値および前場の売買高加重平均価格に基づく取引の取引時間が午前11時 30分から午後0時15分となります。単一銘柄取引については、前場VWAPギャランティ取引および前場VWAPターゲット取引の取引時間が、午前11時 30分から午後0時30分までとなります。
また、上記の現物市場に係る取引時間の一部見直しにあわせて、派生商品市場に係る取引時間の一部見直しも行われました。指数先物取引および指数オプション取引に係る立会市場の取引時間は、午前立会の立会時を午前9時から11時30分まで、午後立会の立会時は午前11時45分から午後3時10分までとなります。有価証券オプション取引に係る立会市場の取引時間は、午前立会の立会時が午前9時から 11時30分までとなります。
 そして、国債証券先物取引および国債証券先物オプション取引に係るToSTNeT市場のイブニング・セッションにおける取引時間は、午後3時25分から6時20分までとなり、指数先物取引および指数オプション取引に係るToSTNeT市場のイブニング・セッションにおける取引時間は、午後4時20分から7時10分までとなります。

(2)対応策と結論

 証券外務員試験では、これまで取引時間に関する詳細な出題は行われておりませんので、特に対応の必要はありませんが、実務上必要な知識となります。特に、株式等の現物商品に係る立会市場の取引時間が午前9時から午前11時30分に延長されたことは、覚えてください。

デリバティブ取引等に係る投資勧誘規制の見直しに伴う日本証券業協会規則の一部改正

(平成23年4月1日施行:日本証券業協会)

(1)概要

 この改正は、投資者保護のより一層の充実を図るため、「協会員の投資勧誘、顧客管理等に関する規則」を改正するものです。
 具体的には、以下の内容となります。

  1. 勧誘における適合性原則の徹底
    i 協会員は、当該協会員にとって新たな有価証券等(有価証券、有価証券関連デリバティブ取引等及び特定店頭デリバティブ取引等をいう)の販売を行うにあたっては、当該有価証券等の特性やリスクを十分に把握し、当該有価証券等に適合する顧客が想定できないものは、販売してはなりません。
    ii 協会員は、特定投資家を除く個人顧客に対し、店頭デリバティブ取引に類する複雑な仕組債に係る販売や店頭デリバティブ取引に類する複雑な投資信託に係る販売、レバレッジ投資信託に係る販売の勧誘(当該販売の勧誘の要請をしていない顧客に対し、訪問しまたは電話により行うものならびに当該販売の勧誘の要請をしていない顧客に対し、協会員の本店、その他の営業所または事務所において行うものに限る)を行うにあたっては、勧誘開始基準を定め、当該勧誘開始基準に適合したものでなければ当該販売の勧誘を行ってはなりません。
  2. 顧客に対する注意喚起文書の交付
    i 協会員は、特定投資家を除く顧客と次に掲げる有価証券等の販売に係る契約を締結しようとするときは、あらかじめ当該顧客に対し、注意喚起文書を交付し、説明しなければなりません。

    イ 有価証券関連デリバティブ取引等
    ロ 特定店頭デリバティブ取引等
    ハ 店頭デリバティブ取引に類する複雑な仕組債
    ニ 店頭デリバティブ取引に類する複雑な投資信託

    ii 注意喚起文書には、次に掲げる事項を明瞭かつ正確に表示しなければなりません。

    イ 不招請勧誘規制の適用がある場合にあっては、その旨
    ロ リスクに関する注意喚起
    ハ 指定紛争解決機関による苦情処理および紛争解決の枠組みの利用が可能である旨およびその連絡先等

  3. 顧客からの確認書の徴求
    i 協会員は、店頭デリバティブ取引等の販売に係る契約を締結しようとするときは、当該顧客(特定投資家を除く)が次に掲げる事項等を理解し、当該顧客の判断と責任において当該店頭デリバティブ取引等を行う旨の確認を得るため、当該顧客から当該店頭デリバティブ取引等に関する確認書を徴求しなければなりません。

    イ 「協会員の投資勧誘、顧客管理等に関する規則」3条4項に定める重要な事項の内容
    ロ 契約により想定される損失額(中途解約した場合の解約清算金(試算額)を含む)を踏まえ、顧客が許容できる損失額および当該想定される損失額が顧客の経営または財務若しくは資産の状況に与える影響に照らして、顧客が取引できる契約内容であること
    ハ 事業の状況や市場における競争関係を踏まえても、継続的な業務運営を行う上で有効なヘッジ手段として当該取引終了まで機能すること(顧客(個人を除く)との契約が、ヘッジ目的の場合に限る)
    ニ 今後の経営を見通すことがかえって困難になるものでないこと(顧客(個人を除く)との契約が、ヘッジ目的の場合に限る)
    ホ 勧誘した店頭デリバティブ取引等に応じなくとも、そのことを理由に今後の融資取引に何らかの影響を与えるものではないこと(顧客(個人を除く)と融資取引を行っている場合に限る)

    ii 協会員は、店頭デリバティブ取引に類する複雑な仕組債または店頭デリバティブ取引に類する複雑な投資信託の販売に係る契約を締結しようとするときは、当該顧客(特定投資家を除く)が次に掲げる事項を理解し、当該顧客の判断と責任において当該販売に応じて買付けを行う旨の確認を得るため、当該顧客から当該販売に関する確認書を徴求しなければなりません。

    イ 「協会員の投資勧誘、顧客管理等に関する規則」3条4項に定める重要な事項の内容
    ロ 契約により想定される損失額(中途売却した場合の売却額(試算額)を含む)を踏まえ、顧客が許容できる損失額および当該想定される損失額が顧客の経営または財務若しくは資産の状況に与える影響に照らして、顧客が取引できる契約内容であること
    ハ 勧誘した店頭デリバティブ取引に類する複雑な仕組債または店頭デリバティブ取引に類する複雑な投資信託の販売に応じなくとも、そのことを理由に今後の融資取引に何らかの影響を与えるものではないこと(顧客(個人を除く)と融資取引を行っている場合に限る)

  4. 電磁的方法による書面の交付等
     協会員は、上記の注意喚起文書の交付および確認書の徴求について、電磁的方法により行うことができます。
     なお、「協会員の従業員に関する規則」において従業員に対する禁止行為として規定している「不招請勧誘の禁止」「勧誘受諾意思の確認義務」「再勧誘の禁止」および「契約締結前交付書面の追記記載事項の説明義務」は、金商法改正において新たに店頭デリバティブ取引に対する勧誘規制等が課されることにより規制が重複するため、規制が削除されます。

    (2) 対応策と結論
     この改正は、証券外務員試験において出題される可能性が高いため、内容理解と問題への対応が必要です。
     上記以外にも、日本証券業協会において「協会員と顧客の紛争等の解決のための業務委託等に関する規則」の一部改正が行わる予定です。しかしながら、この改正は現時点において証券外務員試験で出題される可能性は極めて低いので、詳細の記載は省略いたします。

以上

問題ページへ