2011/6

平成23年5月における証券外務員資格試験に影響を与える改正は以下のとおりです。

1.東日本大震災による被災企業及び被災地域の復興支援等に向けた有価証券上場規程等の一部改正

(平成23年6月1日施行:東京証券取引所)

(1) 概要
 この改正は、東日本大震災の被災により経営に打撃を受けた上場会社の上場管理や上場候補会社の新規上場において柔軟な対応を可能にするものです。具体的には、上場会社が東日本大震災による特別損失の発生に起因して債務超過の状態となった場合には、上場廃止までの猶予期間を通常の1年間から2年間に延長する等の改正が行われます。

(2) 対応策と結論
 この改正は一時的なものであり、試験に出題される可能性は低いといえますので、特に対応の必要はありません。

2.デリバティブ取引に係る取引時間の一部見直し等に伴う関連諸規則の一部改正

(平成23年7月19日施行:日本証券業協会)

(1) 概要
 この改正は、株価指数先物取引および株価指数オプション取引の取引時間を変更するものです。具体的には、夜間立会(現在のイブニング・セッション)が午後4時30分から翌日の午前3時まで(現行当日午後11時30分まで)となり、J-NETデリバティブ取引が午前8時20分から午後4時までおよび午後4時30分から翌日の午前3時まで(現行当日午後11時30分まで)となります。

(2) 対応策と結論
 この改正は、試験に出題される可能性が低いことから対応の必要はありません。

3.資本市場及び金融業の基盤強化のための金融商品取引法等の一部を改正する法律の公布

(平成23年5月25日公布:金融庁)

(1) 概要
 この改正は、わが国資本市場および金融業の基盤強化を目的とするものです。証券関連の主な改正として、ライツ・オファリング(新株予約権無償割当てによる増資)に係る開示制度等の整備、プロ等に限定した投資運用業の規制緩和、英文開示の範囲拡大があります。なお、これらの改正は公布から1年以内に施行される予定です。

ⅰ.ライツ・オファリング(新株予約権無償割当てによる増資)に係る開示制度等の整備
 新株予約権を割り当てる場合に必要となる株主全員に対する目論見書の作成・交付に代えて、有価証券届出書等の提出(EDINETへの掲載)およびEDINETの掲載ページのアドレス等の情報の公告を行うことで足りることとされます。また、証券会社による未行使分の新株予約権の取得・行使が「有価証券の引受け」と位置付けられ、適切な引受審査の義務付け等の規制が課されます。

ⅱ.プロ等に限定した投資運用業の規制緩和
 適格投資家向け投資運用業(顧客がプロ等に限定された一定規模以下の投資運用業)について、投資運用業の登録要件を一部緩和する特例が新設されます。

ⅲ.英文開示の範囲拡大
 外国会社等による英文開示の範囲が、有価証券届出書等および臨時報告書にまで拡大されます。

(2) 対応策と結論
 この改正は、試験に出題される可能性は低いと考えられますので特に対応する必要はありません。ただし、英文開示の範囲が有価証券届出書等及び臨時報告書にまで拡大されたという結論は、参考までに覚えてください。

 上記以外にも、札幌証券取引所および福岡証券取引所において「有価証券上場規程別表取扱い要領」の一部改正が行われました。また、名古屋証券取引所において、「取引参加者負担金等に関する規則」の特例の制定及び「上場手数料等に関する規則」の一部改正が行われました。
 しかしながら、この改正は現時点において証券外務員試験で出題される可能性は極めて低いので、詳細の記載は省略いたします。

 

 最後に、1点お詫びがございます。平成23年1月の「証券外務員資格試験に影響を与える証券業務の改正と対応」に速報として記載しておりました、「一般の者に開放する試験(現行、二種外務員資格試験のみ)に、一種外務員資格試験を加えられる等の改正」の施行日に誤りがございました。申し訳ございませんでした。
 正しくは、平成23年10月1日ではなく本協会が別に定める日から施行されます。この別に定める日については、「協会員の外務員の資格、登録等に関する規則」等の一部改正のパブリックコメントの募集の「今般の規則改正案のポイント」において、「平成24年1月を目途としてシステムリプレースを行うこととしている。このため、施行の日は、当該リプレースの稼動と平仄を合わせる。」と記載されておりますので、早くても来年1月となる見通しです。

以上