2012/06

平成24年6月における証券外務員資格試験に影響を与える改正は以下のとおりです。

1.国債の決済期間の短縮に伴う業務規程等の一部改正

(平成24年4月23日施行、ⅲのみ平成24年4月9日:東京・大阪・名古屋証券取引所)

(1) 概要

 以下、改正の主な内容です。

ⅰ.国債取引の普通取引に係る決済日の見直し

 国債証券の普通取引について、売買契約締結の日から起算して3日目(休業日は除外)の日に決済を行われます。また、売買契約締結の日から起算して3日目の日が、利払期日前3日間(銀行休業日は除外)のいずれかの日に当たる場合には、利払期日(休業日に当たる時は、順次繰り下げ)に決済が行われます。

ⅱ.上場廃止日の見直し 国債証券に係る上場廃止日は、最終償還期日から起算して6日前(休業日は除外)の日となります。

ⅲ.その他

 取引参加者が顧客の外国証券取引口座を設定しようとするときに、顧客から受ける外国証券取引口座に関する約款に基づく口座の設定の申込みの方法に関し、申込書の受入れ以外の方法(外国証券取引口座約款に基づく口座の設定を申し込む旨の顧客の意思が確認できるもので、取引参加者が定める方法)についても認められます。

(2) 対応策と結論

 国債証券の普通取引が、売買契約締結の日から起算して3日目(休業日は除外する)の日に決済が行われるという結論は必ず覚える必要があります。

2.平成23年金商法改正及び売買単位の集約に係る有価証券上場規程等の一部改正

(平成24年4月1日施行:国内全証券取引所)

(1) 概要

 この改正により、英文開示の範囲が拡大されます。具体的には、外国会社は「新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)」の作成に際して外国会社届出書(外国市場において外国の法令等に基づいて英語で開示されている有価証券届出書に類似する書類)を利用できます。
 また、上場会社が、単元株式数を100株とすることを、企業行動規範の「望まれる事項」として規定されます。

(2) 対応策と結論

 この改正は、試験に出題される可能性が低いことから対応の必要はありません。

3.中堅・中小企業のIPO活性化のための有価証券上場規程等の一部改正

(平成24年3月9日施行:東京証券取引所)

(1) 概要

 この改正は、継続性・収益性に関する上場審査基準の見直しや、近年の市場環境に照らして過度に高い水準となっている直接市場第一部に上場する場合の時価総額基準の引き下げなどを行うものです。

ⅰ.企業の継続性・収益性に関する審査基準等の見直し

a.「利益の額又は時価総額」の基準の見直し
 次のいずれかの基準を充たせば足りるものとなります。
(1)利益の額:最近2年間における経常利益の総額が5億円以上であること
(2)時価総額:上場日における時価総額が500億円以上となる見込みのあること

b.「企業の継続性及び収益性」の審査の見直し

 「企業の継続性及び収益性」の審査のうち、損益および収支の見通しに関する観点では、利益計画および収支計画が合理的に策定されており、その計画において安定的に利益を計上することができる見込みがあることを確認することとします。

ⅱ.「純資産の額」の基準の見直し

 上場時において10億円以上となる見込みがあれば足りるものとなります。

ⅲ.直接市場第一部に上場する場合の時価総額基準の見直し

 上場日において250億円以上となる見込みがあれば足りるものとなります。

ⅳ.非上場の親会社等を有する場合の新規上場申請時の提出書類の見直し

 親会社等が有価証券報告書に準じて作成した書面に代えて、「支配株主等に関する事項」および「非上場の親会社等に関する決算情報」の内容を記載した書面の提出が求められるようになります。

(2) 対応策と結論

 過去の証券外務員試験では、上場審査基準の詳細に関する出題はほとんど出題されておりません。したがって、今後も試験に出題される可能性は低いと考えられますので、対応の必要はありません。

4.「外国証券の取引に関する規則」の一部改正

(平成24年4月1日施行:日本証券業協会)

(1) 概要

 以下、改正の主な内容です。
 協会員が顧客と外国証券の取引に関する契約を締結しようとするときは、当該顧客から約款に基づく取引口座の設定に係る申込みを受け、当該申込みを受けたことが確認できるよう証跡を残すことが義務付けられていますが、その方法については、従来の「外国証券取引口座設定申込書の受入れ」という方法に加えて、その他協会員が定める方法によることができることとなります。また、協会員が顧客と外国証券の取引に関する契約を締結しようとするときにおいて、当該顧客に対して、外国証券取引口座に関する約款を既に交付している場合で、当該顧客から改めて約款の交付を求める旨の申出がないときは、改めて当該約款を交付する必要はありません。
 また、国内非上場の外国株券等の国内公募の引受等を行った協会員は、当該外国株券等の発行者が公表した投資者の投資判断に資する資料等を当該発行者から速やかに受領又は収集し、顧客に提供しなりませんが、国内においてインターネットの利用その他の方法により、容易かつ継続的に資料等を取得することができる場合には、これらの義務を課されないこととなります。ただし、国内においてインターネットの利用等により資料等が容易かつ継続的に取得することができない場合は、従来どおり対応する必要があります。

(2) 対応策と結論

 この改正は、試験に出題される可能性が低いことから対応の必要はありません。

5.店頭デリバティブ取引に類する複雑な仕組債・投資信託等の取扱いに係る外務員資格制度等の見直しに伴う日本証券業協会規則の一部改正

(平成24年4月1日施行:日本証券業協会)

(1) 概要

 店頭デリバティブ取引に類する複雑な仕組債・投資信託及びレバレッジ投資信託の取扱いは、一種外務員および特別会員一種外務員となります。ただし、協会員が申請を行い日本証券業協会が認めた場合には、平成24年6月30日までの間は適用されません。

(2) 対応策と結論

この改正は、試験に出題される可能性が高いことから対応の必要があります。

以上

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