2013/7

平成25年7月における証券外務員資格試験に影響を与える改正は以下のとおりです。

1.大阪証券取引所との現物市場の統合に伴う業務規程等の一部改正

(平成25年7月16日施行:東京証券取引所)

① 概要

 今回の改正は、株式会社大阪証券取引所(以下「大証」)の現物市場を株式会社東京証券取引所(以下「東証」)の現物市場に統合するにあたり、大証の市場第一部・第二部に上場している銘柄を東証の市場第一部・第二部に上場するとともに、大証のJASDAQに上場している銘柄を新設する東証のJASDAQに上場するほか、現在、大証に上場しているその他の現物商品を新たに東証市場でも取り扱うこととするなど、東証の上場制度、取引参加者制度および売買制度等について所要の整備を行うものです。

② 対応策と結論

 証券外務員資格試験では、主に東京証券取引所の売買制度が出題されます。この統合では基本的に東証の現行制度を踏襲しますので、新たに学習が必要になることはありません。ただし、東証がJASDAQを新設して、そこに大証のJASDAQに上場している銘柄が上場されるということは参考までに覚えてください。

2.「有価証券の引受け等に関する規則」の一部改正

(平成25年7月1日施行:日本証券業協会)

① 概要

 今回の改正は、上場会社による募集または売出しの公表前において、引受会員の役職員による当該募集または売出しに関する情報の漏えいが判明した場合に当該引受会員の取るべき対応および当該募集または売出しに係る情報を利用したインサイダー取引が判明した場合、または当該上場会社の株価に大幅な下落が認められた場合に主幹事会員の取るべき対応について定めるものです。具体的には、以下のとおりとなります。

ⅰ.主幹事会員は、上場発行者の役員が、当該上場発行者が発行する株券等(不動産投資信託証券は除く)の募集または売出しに係る情報が公表される前において、当該募集または売出しが行われることを知りながら当該上場発行者が発行した株券等の取引を行ったことが判明した場合には、原則として当該株券等の募集または売出しの引受けを行ってはなりません。

ⅱ.主幹事会員は、上場発行者による株券等の募集または売出しに係る準備期間中において、上場発行者の役員により、当該上場発行者が発行した株券等の取引が行われたことが判明した場合には、その都度、当該上場発行者から、当該役員が未公表である当該上場発行者が発行する株券等の募集または売出しを行うことを知りながら行った取引ではない旨、書面により確認しなければなりません。

ⅲ.主幹事会員は、上場発行者による株券等の募集または売出しの引受けを行うに当たり、上場発行者が指名を予定していた主幹事会員の交代が行われたことが判明した場合は、当該上場発行者に対して、当該募集または売出しに係る上場発行者の業務執行を決定する機関が決定する日(公表がなされるものに限る)前6カ月の間において、当該上場発行者による株券等の募集または売出しを行う計画が取り止められたことがない旨、書面により確認しなければなりません。

ⅳ.主幹事会員は、引受けを取り止めることとした後、当該上場発行者の役員が行った当該上場発行者が発行した株券等の取引の日から、当該上場発行者が新たに行おうとする株券等の募集または売出しに係る上場発行者の業務執行を決定する機関が決定する日(公表がなされるものに限る)までの期間が6カ月(売出しについては、主幹事会員が個別事例に即して適当と判断する期間)を経過した後でなければ、当該上場発行者の発行する株券等の募集または売出しの引受けを行ってはなりません。

ⅴ.引受会員は、上場発行者が発行する株券等の募集または売出しの引受けを行うに当たり、当該引受会員の役職員による当該募集または売出しに係る法人関係情報の外部への漏えいが、当該募集または売出しに係る情報が公表される前に判明した場合には、原則として当該募集または売出しの引受けを行ってはなりません。

ⅵ.主幹事会員は、上場発行者が発行する株券等の募集または売出しの引受けを行うに当たり、当該募集または売出しに係る情報が公表される前に、当該募集または売出しが行われることを知った者による当該上場発行者が発行した株券等の取引が行われたことが判明した場合や当該上場発行者の株価に大幅な下落が認められた場合に該当する場合には、原則として当該上場発行者と当該募集または売出しの日程について協議を行わなければなりません。

② 対応策と結論

 ここで定められている規則は、主幹事会員または引受会員およびその役職員が該当します。つまり、すべての証券会社やその役職員が対象となるものではありません。したがって、証券外務員資格試験では重要度はあまり高くないと考えられます。ただし、このような禁止事項があるということは覚えておいてください。

3.「協会員における法人関係情報の管理態勢の整備に関する規則」の一部改正等

(平成25年7月1日施行:東京証券取引所)

① 概要

 今回の改正は、協会員におけるインサイダー取引防止および法人関係情報の管理の徹底を図るために行われました。具体的には、以下のとおりです。 協会員は、法人関係情報の管理に関し、社内規則に基づき適切に行われているか否かについて、定期的な検査等のモニタリングを行わなければならない。

② 対応策と結論

単純に、「法人関係情報の管理に関し、定期的な検査等のモニタリングを行わなければならない」という結論を覚えてください。

4.日経平均株価を対象とした先物・オプション取引の銘柄拡充等

(平成25年7月16日施行:大阪証券取引所)

① 概要

  今回の改正は、市場参加者の利便性向上を図る観点から,日経平均株価を対象とした先物・オプション取引について,限月取引および権利行使価格の拡充を図るものです。
 具体的な内容は以下のとおりです。

・日経平均先物取引関連

ⅰ.Large 取引
 日経225先物取引は、3月、6月、9月、12月のうち13の限月が取引されます。
 取引最終日の翌日に新たな限月の取引が開始され、各限月の取引期間は6月、12月限が5年、3月、9月限が1年6カ月です。
 なお、変更前は四半期限月取引の5限月取引制でしたので、8限月増加したことになります。

ⅱ.Mini取引
 日経225miniでは,3月,6月,9月,12月のうち13限月およびそれ以外の月のうち最も近い3限月が取引されます。つまり、16の限月が取引されます。
 各限月取引の期間は、6月および12 月の各限月取引については5年、3月および9月の各限月取引については1年6カ月、1月、4月、7月および10 月の各限月取引については5カ月、その他の各限月取引については4カ月となります。
 なお、変更前は四半期限月取引の直近2カ月と当該月以外の直近の3カ月の5限月取引制でしたので、11限月増加したことになります。

・日経平均オプション関係

ⅰ.限月取引の拡充 日経225オプション取引は、四半期限月取引の13カ月と当該月以外の直近の6カ月の19 の限月が取引されます。
 各限月取引の期間は、6月および12 月の各限月取引については5年、3月および9月の各限月取引については1年6カ月、その他の各限月取引については9カ月となります。
 なお、変更前は四半期限月取引の12カ月と当該月以外の直近の3カ月の15 限月取引制でしたので、4限月増加したことになります。

ⅱ.権利行使価格設定方法の変更
新規設定
 新たに取引を開始する日経225オプション取引の限月取引において設定(新規設定)する権利行使価格は、取引開始日の前営業日の日経225終値に最も近接する250円の整数倍の数値および当該数値を中心に250円刻みで上下16種類を設定されます。なお、変更前は500 円刻みで上下各8種類の設定されていました。

追加設定
 日経225オプション取引の各限月取引の取引開始日以降に追加設定する権利行使価格は、次のとおりです。
a 当該限月取引の残存期間が3カ月となる月の第二金曜日が到来していない限月取引毎営業日の日経225終値に最も近接する250円の整数倍の数値を中心に250円刻みで連続して上下16種類が設定されるよう追加設定されます。なお、変更前は500 円刻みで常時,上下各8種類存在するように設定されていました。
a 以外の限月取引(直近の3限月取引)
 日経225オプション取引では、残存期間が3カ月となる月のSQ日の前営業日から、毎営業日の日経225終値に最も近接する125円の整数倍の数値および当該数値を中心に125円刻みで連続して上下16種類が設定されるよう権利行使価格が追加設定されます。
 なお、変更前は250 円刻みで常時、上下各8種類存在するように設定されていました。

② 対応策と結論

 この改正は、一種外務員資格試験の内容です。したがって、二種外務員資格試験ではこの内容は出題されません。なお、単純にこの改正は取引できる限月が増加したこと、そして権利駆使価格の刻みが細かくなり、かつ権利行使価格の設定数が増加したという結論を覚えてください。

 なお、東京・大阪・名古屋・札幌・福岡証券取引所において「会社情報の公表予定時刻前のウェブサイトへの掲載等に係る有価証券上場規程等の一部改正」が行われます。東京証券取引所においては「ETFの組成形態に関する上場廃止基準等の見直しに伴う有価証券上場規程等」および「電子債権記録機関の実務を踏まえた約諾書等」の一部改正が行われ、大阪証券取引所においては「東京証券取引所との現物市場の統合および日本証券クリアリング機構との清算機関の統合等に伴う関連諸規則の一部改正」が行われます。
 また、日本証券業協会において「定款」の一部改正および「定款の一部改正に伴う自主規制規則」の一部改正が行われます。
 これらの改正は、現時点において証券外務員試験で出題される可能性は極めて低いので詳細の記載は省略いたします。

以上