IV巻 担保 編
40717  動産担保の管理処分方法

関連会社を活用した動産担保管理と処分はどのようにできるのか

結論

平成12年6月1日付公布・施行、適用された「銀行法施行規則等の一部を改正する内閣府令等」、銀行・中小・地域金融機関向け、保険会社向け「監督指針」の一部改正により、金融機関の関連会社(子会社)による動産担保の評価、売買仲介、所有・管理、処分が可能となり、不動産担保と同様に子会社による集中管理ができるようになっている。


解説

金融庁は、平成11年度「国民の声」で都銀懇話会から提案された銀行等の子会社の業務範囲に「担保財産の換価・処分に関する業務」を追加する件について、検討・ヒアリングを行い、貸手たる銀行自らが行う場合のみならず、子会社へ外部委託することによって、当該業務の合理化・効率化を図ることが、銀行等によるABLの促進に資するものとして、銀行法施行規則等の一部改正を行い、銀行等の子会社業務の従属業務として追加されることとなった。

平成12年4月3日に「銀行法施行規則等の一部を改正する内閣府令等」、銀行・中小・地域金融機関向け、保険会社向け「監督指針」の一部改正(案)をまとめ、パブリックコメント(意見提出手続)を経て、同年6月1日付で公布・施行、適用が開始された。

改正内容は、従来、他の事業者の貸付債権等の担保財産に関する業務について、不動産・動産等の財産の種別を問わず、担保財産の評価・管理の業務が認められていた(銀行法施行規則17条の3第1項10号)が、不動産以外のあらゆる財産を対象に、担保財産の売買の代理・媒介業務が追加となった(同施行規則17条の3第1項10号の2)。また、親銀行等の貸付債権等の担保財産の購入・所有・管理については、不動産のみを対象に法的手続(競売)のみ認められていた(同施行規則17条の3第1項24号)が、あらゆる財産を対象に、不動産以外については、法的手続に限らないことが追加された(同施行規則17条の3第1項24号)。

さらに、監督指針の改正内容としては、他の事業者の貸出金等の担保財産(不動産を除く)の売買の代理・媒介会社の取扱いを新たな留意点として定めるとともに、従来の担保不動産の保有・管理会社については、金融機関の貸出金等に係る担保財産の保有・管理会社として、不動産のみならず、広く動産・債権等の財産に関する取扱いの留意点を定める内容に改正した。

これにより、銀行等の金融機関が子会社を活用することによって、ABLにおける担保財産の評価・管理・換価処分業務の合理化・効率化や低コスト化が実現され、ABLの開発・普及が促進されることが期待されている。