「ESG金融実践のためのSDGs入門講座」
加藤理事長:
最近よく聞くけどSDGsって何?、金融機関にとってどんな関わりがあるのかな。
担当者Fさん:
SDGsは、2015年に国連で採択された持続可能な開発目標のことで、国際社会が2030年までに取り組むべき普遍的な目標です。SDGs達成のための実行手段がESGであり、金融機関にはSDGs達成に直接つながる資金の流れを生み出すことが求められています。SDGsを自らの事業や日々の業務に組み込むとともに、取引先企業のSDGsの取組支援に結び付けていくことは、もはや喫緊の課題なのです。
加藤理事長:
ESG金融についても説明してほしい。
担当者Fさん:
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとったものです。企業の長期的な成長のためには、この3つの要素が不可欠であるという考え方が、世界的に広まっています。非財務情報を含め、企業のさまざまな実態を与信判断や債権管理などに活用することが求められる金融機関にとって、ESGは必須の概念です。金融機関には、真のリレーションシップ・バンキングを追求していくESG金融が求められています。
加藤理事長:
金融機関の業務との関わりは。
担当者Fさん:
企業の実態を多面的に把握し、それを取引先企業の支援につなげるESGへの取組みは、事業性評価とも深くつながっています。これまで事業性評価を行ってきた金融機関が、次のステップへ向かうための有力な切り口が、まさにESGなのです。
金融機関がESG要素に着目して事業性評価を実践することで、取引先企業の企業価値の向上、ひいては地域の持続可能な成長にもつながっていきます。このような好循環が生み出されることで、金融機関にとってもリスク低減やビジネス機会の獲得といったメリットを享受できることになります。
加藤理事長:
講座の執筆陣を紹介してほしい。
担当者Fさん:
金融庁の日下地域金融企画室長に第1分冊の序章、環境省の田辺氏にも第1分冊をご執筆いただきました。その他業界の専門家にご執筆いただき、わかりやすい解説を心掛けています。
加藤理事長:
この講座の主要内容と、受講対象者を教えてほしい。
担当者Fさん:
第1分冊では、まず、金融機関の事業性評価と「SDGs」「ESG」とのつながり、そして金融機関が「SDGs」「ESG」を学ぶ意義について触れます。そのうえで、「SDGs」「ESG」それぞれの基礎的な知識をしっかりと押さえます。第2分冊では、「SDGs」「ESG」と金融業務の関わり、そして注目されるポジティブ・インパクトについて解説します。また、習得した知識を現場で生かすために、環境省『事例から学ぶESG地域金融のあり方』を掘り下げて解説します。
本講座の受講対象者は、「SDGs」と「ESG」に関する知識を深めようとされる、金融機関にお勤めのすべての方々です。