新聞の盲点

一般社団法人金融財政事情研究会創立と同時に創刊された、金融の専門週刊誌『週刊 金融財政事情』に掲載のある記事になります。

2019.01.16

キャッシュレス推進へ課題を投げかけたペイペイの不正利用

10月の消費増税に伴う経済対策としてキャッシュレス決済利用時のポイント還元が打ち出されるなど、国を挙げたキャッシュレス推進が本格化している。昨年は新たなQRコード決済が続々と登場。なかでも脚光を浴びたのが大規模キャンペーンを展開したペイペイだ。だが、キャンペーン期間中に不正利用が多発し、セキュリティー対策の課題を浮き彫りにした。キャッシュレス決済の普及に向けて、利用者が安全にサービスを利用できる環境整備が求められている。

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2019.01.08

悪質クラウドファンディングをのさばらせたのは「誰」か

銀行を介さずネット経由で資金を募り、個人・法人に貸し出す「貸付型クラウドファンディング」への行政処分が相次いでいる。その背景には、貸金業法と金商法の「相克」が制度上の抜け穴を作っているためとの指摘が従前からなされてきた。にもかかわらず規制当局である金融庁の動きは鈍く、ついには証券取引等監視委員会から4年ぶりの「建議」まで飛び出した。事態が深刻化する中で金融庁も重い腰を上げつつあるが、なぜこのような事態に陥ったのか。

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2018.12.18

買取価格の引下げ回避も、先行き不透明な「太陽光向け融資」

太陽光発電事業向け融資(太陽光向け融資)に暗雲が立ち込めた。経済産業省が10月中旬、太陽光の買取価格を引き下げる制度の見直しに動いたことで、貸倒れにつながる懸念が高まったのだ。事業者の猛反発や自民党議連からの要請を受けて経産省が見直しを修正し、結果的には杞憂に終わったが、ふたたび買取価格の引下げ気運が高まる可能性がある。小規模事業者を中心に倒産も増えつつあり、太陽光向け融資の推進に取り組んできた金融機関には戦略の変更が求められそうだ。

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2018.12.10

広がる波紋! 違法の疑いが残る取引金融機関への税務調査

「失礼します。○○税務署から来ました」。そう声を掛けられ、支店奥の別室に通した経験を持つ金融機関職員は少なくないはずだ。税務調査、より正確に言うと、質問検査権の行使の一環で納税義務者の取引先や取引金融機関に対して、帳簿書類などの検査や当該物件の提出を求める反面調査である。この調査の妥当性が争点となった裁判の控訴審判決が11月7日、大阪高裁であり、裁判長が「違法の疑いが残る」と判示したことから、金融法務関係者の間で波紋が広がっている。

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2018.12.03

急上昇するドル調達コスト、邦銀は難局をどう凌ぐのか

ドル調達コストの上昇が日本の金融機関を苦しめている。今年度の中間期決算で前年同期比2割の減益となった農林中央金庫は、その主因として高まるドル調達コストを挙げる。海外融資を増やしてきた大手行にとっても、ドル調達のコスト増は大きな痛手だ。調達コストは今後も上昇すると見る向きが強く、カバードボンドの発行など調達手段の多様化に乗り出す動きも見られる。ドル建て資産を持つ金融機関では、調達手段の安定化や多様化に向けた取組みが求められている。

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2018.11.26

全銀協で議論大詰め、手形・小切手の完全電子化への論点

未来投資戦略に盛り込まれて検討が始まった「手形・小切手機能の電子化」。全銀協の検討会は12月の最終報告の取りまとめに向けて詰めの作業を進めている。手形・小切手の利用は大きく減少しており、完全に電子化されれば大きなコスト削減効果が図られる。ただ、業界の商習慣などから電子化への移行に抵抗を感じる利用者も少なくない。完全電子化の実現にあたっては、電子記録債権等の利便性向上や金融機関による導入支援・周知強化の取組みが重要になる。

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2018.11.21

不動産仲介を巡る10 年戦争、地銀は岩盤を打ち崩せるか

全国地方銀行協会は2018年度の規制改革要望で、例年同様、不動産仲介業務の解禁を求めた。地銀協がこの要望を初めて出したのは2005年。以来、継続的に要望してきたが、大きな成果もなく退けられてきた。地銀協は、事業承継や相続に関連する不動産仲介ニーズが増しており、地銀が不動産仲介を手掛けられれば地方創生にも資すると主張する。ただし、解禁に対して不動産業界などは猛反発している。はたして岩盤規制は崩れるのか、地銀の期待が高まっている。

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2018.11.12

東京の国際化構想が楔を打ち込んだ投信業界の二重計算問題

毎日算出される投資信託の基準価額。1951年の投信法制定以来、委託会社と受託銀行双方が計算を行い、結果を照合する「二重計算」を行っている。しかし、この業界慣行が、外資系運用会社の日本参入を阻む障壁となっているのではないかという指摘がある。東京都が「国際金融都市・東京」構想を推進する中で、投信の二重計算は国際化を目指す東京をガラパゴス化させる象徴なのか。いや、コトはそう単純ではなさそうだ。

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2018.11.06

加盟店手数料率の引下げ要請、不透明な実効性ともう一つの狙い

来年10月に8%から10%への引上げが予定されている消費増税。政府はその景気対策としてキャッシュレス決済時のポイント還元を検討しているが、関連して中小の店舗におけるクレジットカードの加盟店手数料率の引下げを求める構えだ。ただ、加盟店手数料率を引き下げたからといって、中小の店舗でクレジットカード決済が普及するのかは不透明。カード各社の収益基盤も揺るがしかねない。その実効性に疑問符が付くなか、政府には別の狙いがあるとの見方も浮上している

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2018.10.26

投資用不動産融資の金融庁調査、市場の警戒モードは杞憂か

金融庁が「投資用不動産向け融資」の一斉調査に着手する。10月中にも全国の金融機関に対してアンケート調査を開始し、年内に回収する。問題が認められる金融機関には立入検査も実施する方針だ。市場では、今回の一斉調査が「不動産市場全体にマイナスの影響を与えるのでは」との懸念が強まっている。新興不動産会社の倒産など不穏な動きが一部で見られるが、金融庁が過度な信用収縮は回避する慎重な姿勢を見せているため、こうした警戒は杞憂に終わりそうだ。

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2018.10.15

巨額流出だけでは終わらない、仮想通貨交換所Zaifを巡る霧

仮想通貨交換所Zaifを運営するテックビューロ(大阪市)は9月20日、不正アクセスにより、仮想通貨67億円相当(翌日70億円に修正)が流出したと発表した。コインチェック事件やマウントゴックス事件に次ぐ規模の被害額で、社会的な影響も大きい。しかし、同社は記者会見を開かず、本件に関する追加情報提供も十分なされていない。同社が以前に実施した109億円のICO調達資金の現状も判然とせず、フィスコグループによる55億円の買収資金額にも疑問符が付く。

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2018.10.10

産業革新投資機構が船出、悩ましい二律背反の舵取り

産業革新投資機構(JIC)が9月25日、旧産業革新機構を改組して発足した。旧機構については大企業の救済のために利用されてきたとの批判があったことから、JICは政府の影響力を排除する仕組みを整える。それがうまく機能するかは田中正明社長をはじめとする経営陣の手腕しだいだ。他方で、官民ファンドの赤字を問題視する向きもある。JICはリターンの最大化を掲げるが、利益確保を重視すれば民間でも対応可能な分野での民業圧迫が疑われかねない。

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2018.10.01

景気最優先で積極財政へ、アベノミクス最後の戦い

安倍晋三首相は自民党総裁選で石破茂元幹事長を破り、3選を果たした。ただ、石破氏の思わぬ善戦は自民党員にも「安倍一強」への反発が広がっていることを浮き彫りにし、首相の求心力にも影が差す。危機感を強めた安倍首相は来年の参院選や消費税増税を乗り切り、悲願の憲法改正に必要な内閣支持率を上昇させるため、当面は積極財政による景気浮揚を目指す。一方、待ったなしといわれて久しい財政再建や社会保障改革への本格着手は先送りが濃厚だ。

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2018.09.24

再編期待で一段の上昇が予期される地銀の外国人株主比率

上場地銀の外国人株主比率がジワジワと上昇している。PBRで見て「割安」なうえ、株主還元を要求しやすく、再編でエグジットストーリーも描きやすいことなどが背景にある。地銀の主要株主となった海外機関投資家は株主還元要求を強めており、地銀の中には有価証券の益出しによって配当原資を捻出する動きもある。日銀はこうした状況を「地銀のストレス耐性の脆弱化につながる」と憂慮するが、再編期待から外国人株主比率が一段と高まることも予期されている。

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2018.09.19

銀行第一課長が財務官への登竜門!?

今年は7月17日に幹部の定例人事異動を行った金融庁。3年間続投した森信親長官が退任し、新長官に遠藤俊英監督局長が昇格した。監督局長には、遠藤氏の右腕だった栗田照久参事官(監督局担当)が抜てきされた。主要行を監督する銀行第一課長には、柳瀬護財務省大臣官房参事官が就任。柳瀬氏は財務省の「国際畑エース」との呼び声が高かった人物で、財務省から銀行第一課長に直接就任する人事は前例がない。今回のキャリアパスには「ロールモデル」がありそうだ。

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2018.09.10

売手・買手の思惑一致で加速する「仮想通貨交換業者」のM&A

1月に起きたコインチェックの巨額流出事件以降、度重なる行政処分やみなし仮想通貨交換業者の撤退など、激震が続く仮想通貨業界。そんななか、大手のIT企業が仮想通貨交換業者を飲み込むM&Aが相次いでいる。金融庁の新規登録審査が格段に厳しくなり、規制強化も見通される中で、早期に参入したい大手資本と、早く身売りしたい仮想通貨交換業者の思惑が一致しているためだ。すでに全みなし業者が大手資本に飲み込まれており、登録業者の争奪戦も熱を帯びている。

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2018.09.04

「岡野城」が遂に開城、スルガ銀行改革の本丸とは

スルガ銀行のシェアハウス関連融資に端を発する不祥事の全貌が見えてきた。審査資料改竄などによる不適切融資の手法は不動産案件全般に及ぶとされ、第三者委員会の報告を踏まえて金融庁の重い処分が予想される。そうしたなか、スルガ銀行では行政処分に先んじて自ら「患部」をあぶり出そうという動きが出ている。融資手法やコンプラ体制ではなく、「企業文化」を改革する動きだ。不祥事の温床となったスルガ銀行の文化はどのようにして醸成され、何を改革すべきなのか。

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2018.08.27

遠藤新体制の金融庁、始動1カ月で見えてきた姿

3年ぶりの長官交代、大規模な組織再編も実施(いずれも7月17日)されるなど、文字どおり新体制となった金融庁。遠藤俊英新長官のもと1カ月余りが経過したが、早くも金融業界に強い印象を与えているのが総合政策局の際立つ存在感だ。一方、これまで中核的な存在だった監督局の影は薄く、さらには全国の財務局の権限が強化され、その役割が大きくなりつつある。遠藤体制が始動して1カ月。従来以上にオン・オフ一体の組織運営を目指すはずの金融庁に何が起きているのか。

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2018.08.21

絶妙な政策修正の陰で限界も露呈した日銀の決定会合

日本銀行は7月30、31日に金融政策決定会合を開き、「ゼロ%程度」とする長期金利誘導目標の許容変動幅を従来の±0.1%から±0.2%程度に広げることを決めた。「国債市場の機能低下」という金融緩和の副作用が顕在化していることが背景にある。金融緩和に邁進するポーズをとりながら、事実上の緩和縮小となる今回の政策修正は絶妙な一手といえる。これで当座はしのげると見られるが、ふたたび副作用が増幅する局面での次なる政策修正の一手は限られる。

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2018.08.10

日銀のずさん統計で剥げ落ちた投信神話の虚像

日銀統計の修正によって、政府が推奨してきた代表的運用商品である「投資信託」の家計保有額が、足もと約33兆円も過大であったことが判明した。また、順調に増加していたはずの同保有額が、実際は減っていたこともわかった。近年、NISAなどの投資優遇制度で個人の資産形成を促してきたが、その成果がいっこうに上がっていなかったことになる。“まさかの事実”が明らかになり、「貯蓄から資産形成へ」を政策として進めてきた関係者に衝撃が広がっている。

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2018.07.30

「不明瞭な」手数料徴求は東日本銀行だけか

金融庁から不適切融資などを指摘されて業務改善命令を受けた東日本銀行。処分の理由に「不明瞭な手数料徴求」が含まれているが、この点に疑問の声が上がり始めている。預貸利ザヤが低迷する中、手数料ビジネスを強化している金融機関は多く、他行でも多様な名目で手数料を取っている。処分に裁量的な要素があれば、他行の収益構造改革に水を差しかねない。さらに、金融機関で不祥事が相次いで発覚していることから、金融検査のあり方にも疑問の目が向けられている。

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2018.07.23

金商法の適用まで浮上した仮想通貨を巡る規制の行方

ずさんな管理態勢が明らかとなった仮想通貨業界。決済手段としての普及を見込んでいた当初の想定と異なり、仮想通貨が「投機」の手段として根づき出しているため、その制度的対応も焦眉の急となっている。一部メディアで「金商法の適用を検討」と報じられているが、法改正には相応の時間を要するため、まずは自主規制での対応が求められる。ただ、仮想通貨の性質や技術のさらなる進展を見込むと、金商法の適用を含むその後の制度的な見直しは一筋縄ではいかなそうだ。

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2018.07.18

トラブルの火種!? 安易な「民事信託」にご用心

超高齢社会の到来により、高齢者の財産管理が社会的な課題になっている。その有効な方策の一つが「成年後見制度」だが、利便性を欠く面もあって普及率は必ずしも高くない。そこで期待が集まっているのが「民事信託」だ。金融機関にとっては、収益物件の建設による財産の積極的な活用を通じて融資につながる可能性もある。ただ、士業などの専門家の取組みも成熟していないことから、野放図な対応では将来的なトラブルを抱え込むことにもなりかねない。

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2018.07.10

コポガバコードの「番人」に名乗りを上げるアクティビスト

物言う株主「アクティビスト」の活動が注目されている。ROEが低くて政策保有株や現預金を多く保有する企業に投資して、政策保有株の売却や増配を求める株主提案で揺さぶりをかける。ただし、アクティビストをかつてのように「短期的な利益追求の株主」と見る風潮は弱まっている。企業価値の向上を目指す「二つのコード」のもと、政策保有株の売却といった提案は機関投資家からも賛同を得やすくなっており、コポガバコードの「番人」のような存在にもなりつつある。

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2018.06.25

店舗の減損処理が突きつける銀行ビジネスの変革

前年度決算で、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が店舗の減損処理に伴う多額の損失を計上したことが波紋を広げている。今後、他行でも店舗の収益性低下に伴う減損処理が課題になる可能性は高い。もっとも、デジタル化の進展によって銀行のビジネスがよりモバイルの領域へと突き進んでいけば、店舗の資産価値のとらえ方も変わらざるをえない。店舗の減損処理を巡る議論は、店舗を保有して収益を上げてきた“旧来産業”からの転換を突きつけているようだ。

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