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2018.10.26.

投資用不動産融資の金融庁調査、市場の警戒モードは杞憂か

金融庁が「投資用不動産向け融資」の一斉調査に着手する。10月中にも全国の金融機関に対してアンケート調査を開始し、年内に回収する。問題が認められる金融機関には立入検査も実施する方針だ。市場では、今回の一斉調査が「不動産市場全体にマイナスの影響を与えるのでは」との懸念が強まっている。新興不動産会社の倒産など不穏な動きが一部で見られるが、金融庁が過度な信用収縮は回避する慎重な姿勢を見せているため、こうした警戒は杞憂に終わりそうだ。


一斉調査における三つの検証ポイント

 金融庁は9月26日に発表した「変革期における金融サービスの向上にむけて」と題した今事務年度の金融行政方針(新方針)で、「投資用不動産向け融資」という項目を新たに設け、その実態把握に乗り出す考えを示した。
 新方針で示された投資用不動産向け融資のアンケート調査や検査のポイントは、大きく3点ある。一つ目は、金融機関の与信管理態勢の検証(空室率・賃料水準の推移の把握を前提とした期中管理や融資審査ができているか)。二つ目は、顧客保護態勢の検証(顧客の不動産購入目的を踏まえた借入れの合理性の検証やリスク説明などができているか)。そして三つ目が、法令遵守態勢の検証(不動産融資とカードローンなどとの不当な抱き合わせ販売を防止することができているか)だ。
 調査を主体的に行うのは、総合政策局リスク分析総括課と監督局銀行第二課。調査対象は、主要行やネット専業銀行、地銀・信金・信組などの地域金融機関になる。
 金融庁は10月中旬現在、質問項目などのアンケート内容を最終調整しており、10月中にもこの三つの論点を検証するためのアンケート調査を開始し、年内にも回答を受け取る。問題が認められれば、調査結果の分析を待たずにオフサイトでのモニタリングを開始し、必要があれば立入検査も実施する。金融庁は一定の情報収集や検査が終わった段階で、判明した事実関係を報告書として公表する方針だ。

不良チャネルとの提携関係も実態把握へ
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この記事の続きは『2018年10月22-29日 秋季合併号(3282号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから