きんざい Online

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2018.11.06.

加盟店手数料率の引下げ要請、不透明な実効性ともう一つの狙い

来年10月に8%から10%への引上げが予定されている消費増税。政府はその景気対策としてキャッシュレス決済時のポイント還元を検討しているが、関連して中小の店舗におけるクレジットカードの加盟店手数料率の引下げを求める構えだ。ただ、加盟店手数料率を引き下げたからといって、中小の店舗でクレジットカード決済が普及するのかは不透明。カード各社の収益基盤も揺るがしかねない。その実効性に疑問符が付くなか、政府には別の狙いがあるとの見方も浮上している。


急浮上したカード手数料問題

 来年10月に予定されている消費増税の景気対策に関連して、クレジットカードの加盟店がカード会社に支払う手数料率の引下げが政府内で検討されている。世耕弘成経済産業大臣は10月19日の閣議後会見で、「手数料を引き下げるなどの措置も検討しなければならない」と語り、関係会社に協力を求める姿勢を明らかにした。
 なぜ、消費増税の景気対策に関連して加盟店手数料率の引下げが検討されているのか。背景には、消費増税の景気対策に合わせて、遅れが指摘されている日本のキャッシュレス化を一気に進めたい政府の思惑がある。
 消費増税の景気対策では、中小事業者の店舗(以下、中小店舗)においてクレジットカードやQRコード決済といったキャッシュレス決済手段で買い物をした際に、2%分のポイントを還元したり、ポイントサービスを提供していない場合には値引きしたりする方向で検討が進んでいる。1年間の時限措置となる見通しで、還元されるポイントや値引き費用は国が補助する。中小店舗がこの景気対策を享受するには、キャッシュレス決済を導入しなければならない。政府はキャッシュレス決済比率を2025年までに現状比2倍の40%に高める目標を掲げており、消費増税の景気対策と絡めてキャッシュレス決済を促進する算段だ。
 中小店舗がキャッシュレス決済を導入しやすい環境を整備するため、政府が目を付けたのが日本における加盟店手数料率の高さだ。日本の加盟店手数料率は欧米に比べて1%以上高く、中小店舗でクレジットカード決済が広まらない一因とされてきた。一般に中小店舗の加盟店手数料率は4~6%程度となっているが、政府はこの料率を3%台にまで引き下げるようクレジットカード会社に要請する構えだ。


逆にキャッシュレス化が減速する懸念・・・・・
別にある? 本当の狙い・・・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2018年11月05日号(3283号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから