きんざい Online

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2018.11.21.

不動産仲介を巡る10 年戦争、地銀は岩盤を打ち崩せるか

全国地方銀行協会は2018年度の規制改革要望で、例年同様、不動産仲介業務の解禁を求めた。地銀協がこの要望を初めて出したのは2005年。以来、継続的に要望してきたが、大きな成果もなく退けられてきた。地銀協は、事業承継や相続に関連する不動産仲介ニーズが増しており、地銀が不動産仲介を手掛けられれば地方創生にも資すると主張する。ただし、解禁に対して不動産業界などは猛反発している。はたして岩盤規制は崩れるのか、地銀の期待が高まっている。


魅力的な手数料収益

 地銀協が9月12日に内閣府に提出した2018年度の規制改革要望は、新規11項目、継続12項目の全23項目。このうち地銀界が長年にわたって切望しているのが、「銀行による不動産仲介業務の解禁」と「銀行の保有不動産の賃貸柔軟化」だ。なかでも「仲介」は2005年から継続して要望しているが、いまだ実現しておらず、今年度は「銀行や銀行子会社・兄弟会社での解禁が難しいのであれば、せめて信託兼営金融機関での取扱いを解禁してほしい」と要望している。
 不動産の仲介手数料は、最大で売買価格の3%+6万円。不動産は売買価格が大きいことから、ワンショットで多額の仲介手数料を獲得することができる。売手と買手の双方を担当する「両手取引」であれば、この倍の手数料が得られるわけだ。
 地銀の経営環境は、長引く低金利環境から稼ぎ頭だった法人融資を主体とする預貸業務の収益が落ち込んでおり、新たな収益源の確保が急がれる。しかし、フィデューシャリー・デューティーの御旗のもと、頼みの綱の投信販売では従来のような手数料収益を上げづらくなっており、右肩上がりで伸びてきた銀行カードローンやアパートローンも近ごろは低下傾向が鮮明だ。
 こうしたなか、地銀経営の窮境を打開する新たな収益源として、「一番身近な最後の聖域」(地銀幹部)である不動産仲介業務の解禁への期待が、以前にも増して高まっている。ただし、すべての不動産にかかわる仲介を望んでいるわけではない。地銀協が要望する不動産仲介の分野は、「事業承継・相続や事業再生に係る不動産の売買」「担保不動産の売却」「地公体の再開発事業等での不動産の賃貸」に限定している。これらの分野は顧客からのニーズがあり、地方の活性化にも資するという理由だ。

一枚岩になれない銀行界・・・
不動産業界は猛反発・・・

この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2018年11月19日号(3285号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから