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2019.01.28.

金融機関を悩ませる10連休対応

新天皇の即位に伴い、改元と10連休が予定されている。これまでにない大型連休となるため、金融機関においても利用者や取引先に不便が生じないよう万全の対応が求められる。改元への対応については軽微なシステム改修で済むほか、帳票類を旧元号のまま当面使用する措置を取ることで大きな混乱は生じないとみられている。問題は10連休への対応だ。連休前後にバッチ処理が集中するためシステム上のキャパシティオーバーが懸念されるほか、実務上の課題も散見される。


銀行実務にとっては喜ばしくない10連休

 5月1日に新天皇が即位し、同日、元号が平成から新元号へと変わる。「天皇の即位の日および即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」により、5月1日と10月22日は2019年限りの祝日となり、祝日法で4月30日と5月2日も休日となった。これにより今年は、4月27日から5月6日までの10連休となる。
 新元号は、即位1カ月前の4月1日に公表される。政府は当初、新元号の公表日を4月11日で検討していたが、多くの企業で利用されている米マイクロソフト社のOS「ウィンドウズ」の更新や省庁・民間企業のシステム改修などを考慮し、4月1日に前倒しすることになった。金融機関でも元号が変わることでどのような影響が生じるのか、昨年から対応課題の洗い出しを行ってきた。
 当初は、改元に伴うシステム改修が不安視されていたが、軽微な改修にとどまりそうだ。すでに銀行のシステムはほとんどが西暦で動いているためだ。自動変換によって和暦で表示される取引書面などもあるが、混乱なく新しい元号に移行できるとみられる。改元によって帳票類や手形・小切手帳も「平成」から新元号への切換えが必要になるが、全国銀行協会が当面は平成を用いる柔軟な対応措置を示したことで、ここでも混乱は回避できそうだ。
 すでに三菱UFJ銀行は12月20日、改元に関わる各種対応を公表しており、19年5月以降も平成と印字された従来の帳票類はそのまま使用し、平成「31」年と記入してほしいと案内した。新元号に訂正する場合は平成に二重線を引き、新元号を記入する対応も可能。訂正印は原則不要としている。手形・小切手についても、19年5月以降も当面は平成表記の手形・小切手帳を発行するとしている。
 むしろ課題は、新天皇の即位に伴って実施される10連休への対応だ。「システム面や事務面での対応など、さまざまな対応課題が持ち上がっている」(地銀幹部)という。これまでに金融業界が経験した連休は、12月29日から1月3日までの年末年始など6連休が最長。1週間のうち1日も営業せずに翌週を迎えることは、今回の10連休が初めてとなる。
 10連休になることによるシステム面の対応には、「量と質の課題がある」(銀行システム担当者)。ここでいう「量」とは、連休前後に集中するデータ処理のこと。連休前に総合振込や給与振込が集中するとみられており、「その日のうちにデータを処理しきれなくなるおそれがある」(同)という。そのため金融機関では分散処理を図るため、取引先に対して早期持込みを依頼する。給与振込のデータ承認期限は金融機関により異なるが、おおむね振込指定日の2~3営業日前。着金遅延を防ぐため、より早めにデータを持ち込んでもらうよう要請していく予定だ。逆に連休明けとなる5月7日は、本来であれば4月末にかかる融資返済や月初に行う月次処理などの大量処理が同時に発生するため、ここでもデータ処理が遅延してしまうおそれがあるという。

たった一度の対応のために…・・・
夜間金庫やATM対応も課題に・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年1月28日号(3293号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから