新聞の盲点

一般社団法人金融財政事情研究会創立と同時に創刊された、金融の専門週刊誌『週刊 金融財政事情』に掲載のある記事になります。

2019.02.12.

大穴候補が巻き返し、三つの座を巡るIR椅子取り合戦

2024年の開業を予定する統合型リゾート(IR)の誘致合戦が熱を帯びてきた。設置上限3区域を巡り、北海道、東京、横浜、大阪、長崎などが候補地として取り沙汰されるなか、先行するのが大阪市と苫小牧市だ。前者は万博開催決定でIRとの相乗効果を狙い、後者は道の有識者懇談会で優先候補地とされた。しかし、ここにきて“大穴”候補の巻き返しも目立つ。参院選・統一地方選が重なる選挙イヤーという政治動向も加わり、「IR椅子取り合戦」は混沌としてきた。


「本命」発表日に待った!留寿都村がIR構想を表明

 IR設置が有力視されている北海道。道内での候補地一本化に向けた選定作業が本格化している。当初は、釧路市、苫小牧市、留寿都村がIR誘致に名乗りを上げたが、釧路は早々に苫小牧の応援を表明。苫小牧と留寿都の一騎打ちの様相となったが、ここまで苫小牧が大きくリードしてきた。
 1月9日・10日に札幌市で行われた「IRショーケース」では、複数の事業者(オペレーター)がIR構想を発表し、このうち音楽をテーマとしたカフェを展開する「ハードロック」は苫小牧を拠点とする構想を発表。ギターをメインモチーフにした施設模型を展示し、来場者の関心を集めた。さらに1月21日には、道の有識者懇談会が候補地中、最も高い年間約1,800億円の経済効果(売上・税収合計)が見込まれる「苫小牧を優先候補地とすることが妥当」とする最終提言を取りまとめ、苫小牧一本化が確定したかに思えた。
 しかし、有識者会議が苫小牧を優先候補地としたその日、留寿都村統合型リゾート誘致推進協議会と「ルスツリゾート」を経営する加森観光が、留寿都村のIR構想をぶつけてきた。加森観光は「有識者懇談会との対抗を目的としたものではない」としつつも、「現段階で苫小牧に最終決定したものではないと認識している」として、既存のルスツリゾートを中心とした地域密着型IRを目指すという。留寿都村も「道が候補地を決定するまでは推進を続ける」(担当者)との立場。高橋はるみ知事が7月の参院選出馬を表明し、道がIRをどのように誘致するかは新知事によって大きく変わりうる。不確定要素の高まりに乗じて苫小牧を牽制した格好だ。

万博決定なんのその──独立独歩の和歌山県・・・
他の自治体も次々と名乗り・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年2月11日号(3295号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから