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2019.02.26.

行き詰まる農林中金の運用モデル、CLOで活路を見いだせるか

農林中央金庫の運用モデルが試練の時を迎えている。ドル調達コストの高まりに加え、農協・信連への預金利息の上乗せ金利である「奨励金」が収益を圧迫する。こうしたなか、クレジットリスクを果敢に取る戦略で活路を見いだそうとしており、昨年度末比3兆円増という勢いでローン担保証券(CLO)に投資している。だが、市場が動揺したら痛手を負いかねない。市場のボラティリティーがたびたび高まるなか、名うての機関投資家・農林中金の実力が試されている。


上昇するドル調達コスト

 農林中央金庫の業績不振が続いている。2018年12月期の連結決算は、経常収益が前年同期比1,785億円増の1兆2,794億円となったにもかかわらず、経常利益は772億円減の899億円、純利益は598億円減の733億円となった。経常利益、純利益とも、14年度以降の5年間は右肩下がりで推移している。
 利益を圧迫している要因は、資金調達コストだ。12月期決算の資金調達コストは連結で前年同期比1,751億円増の9,331億円となっており、今期は1兆円の大台に届く勢い。米利上げなどによりドルの調達コストがかさんでいることに加え、マイナス金利政策のもと本来は大幅に下がるはずの円調達コストが高止まりしているためだ。
 農林中金は、市場運用資産63.5兆円の54%(18年9月末現在)がドル建てとなっている。だが、メガバンクのように安定的かつ低コストで調達できる顧客性ドル預金を持っていないため、農林中金のドル調達手段は通貨・為替スワップ市場における円投ドル転やレポ、譲渡性預金(CD)といった市場性調達がほとんど。そのため、ドルLIBORなどの市場金利の影響をまともに受ける。米利上げでドルLIBORが底上げされてきたこともあり、18年11月中旬には円投によるドル調達コスト(ヘッジコスト)が10年ぶりの水準となる年率3.3%まで上昇した。世界的に運用利回りが落ち込むなか、ドル調達コストの高まりが農林中金の業績の重石になっている。

「奨励金で稼げ」、巨額の農協マネーが流入・・・
貸出とCLOに活路・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年2月25日号(3297号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから