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2019.03.06.

地域商社や事業承継にまで広がる銀行の5%超出資

5%ルールの緩和には政治とのコミュニケーションも重要。(写真は自民党本部)

日銀の異次元緩和策によって金融機関の本業が打撃を受ける一方で、収益基盤の拡大につながる出資上限の緩和が進んでいる。2017年には銀行業高度化等会社という概念が導入され、IT会社などへの5%超出資が認められるようになっており、北國銀行は4月にECモールを開業する。金融庁はその延長線上で地域商社への5%超出資についても検討を始めており、金融機関の期待が高まっている。そして、事業再生・事業承継の場面での出資緩和も実現に向けて動き出した。

北國銀行は単独でECモールを運営へ

 銀行による事業会社への出資を議決権比率5%(銀行持株会社では15%)以下に制限する「5%ルール」は、銀行本体に対する他業リスクを回避することなどを目的としている。それに対して、近年導入された規制緩和の一つが、17年施行の銀行法改正によって認められた「銀行業高度化等会社」(以下、高度化会社)だ。これによりメガバンクが新たにフィンテック子会社を立ち上げたほか、住信SBIネット銀行は今年4月にネットブームを買収して100%子会社化するなど、銀行の事業領域がITの分野にまで広がりつつある。
 そうしたなか、画期的な事例として注目されるのが、北國銀行の100%子会社の「北國マネジメント」だ。同社は4月から、ECモール「COREZO(コレゾ)」を運営する。
 ECモールは、高度化会社の業務として当初から想定されていた事例だ。資金の流れと不可分な商流情報を集約できるため、融資審査への活用などを通じて新たな金融サービスの提供につながることも期待される。コレゾへの出店料は月額1万2,000円(税別)。売上げに応じた費用は徴求せず、事業者の負担を最小限にする。都心部に店舗を構えることができず、顧客のニーズに応えるため大手のECモールに出品せざるをえない地方の中小事業者にとっては、地域の産品を手軽に販売し成長を図るための新たな選択肢になりうる。
 銀行が高度化会社を営むには金融庁から認可を取得する必要があり、「業務を的確かつ公正に遂行」できることなどが要件になっている。「ノウハウを補完するために合弁を活用したり、徐々に出資比率を高めたりすることも考えられる」(金融規制に詳しい鈴木正人弁護士)が、北國銀行は単独での認可にこぎつけた。

地域商社の適用に向けた整理が進む・・・
事業再生・事業承継の場面でも5%ルールの緩和を検討・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年3月4日号(3298号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから