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2019.03.18.

「負の遺産」処理でがぜん注目されるみずほFGの新中計

みずほフィナンシャルグループ(FG)は3月6日、約6,800億円に上る一過性の損失を計上し、2019年3月期の当期純利益予想を5,700億円から800億円に引き下げると公表した。中期経営計画をスタートさせる来期以降のコスト負担を軽減し、今後の成長戦略を描きやすくする狙いだ。ただ、低金利環境の中で稼ぐ力は低下しており、これまでの延長線上の戦略では反転攻勢は望めない。みずほFGは今後、どういった分野に活路を求めていくのか。

経済的価値は変わらない
 みずほFGが計上する損失は、大きく二つ。一つは、国内リテール事業部門に帰属する固定資産の減損(約5,000億円)で、そのうち閉鎖予定店舗に係る減損が約400億円。残り約4,600億円は、大宗が19年夏に完全稼働する予定の新勘定系システム(次期システム)を含むソフトウェアの減損だ。
 もう一つは、市場部門の損失(約1,800億円)。ポートフォリオ再構築のための米国債のロスカットが約1,500億円に上るほか、来年度に導入予定だったデリバティブ取引の評価方法等の精緻化により約300億円の損失を前倒しで計上する。
 あわせて25年3月までに閉鎖する拠点を大都市圏中心に拡大することも明らかにし、対象は17年11月公表の100拠点から30拠点程度増えるとみられる。大幅な減益となることの経営責任として、坂井辰史社長をはじめとする執行ラインの役員は、業績連動の報酬を一部または全額返上する。
 坂井社長は同日の会見で、「(損失計上により)後年度負担が一気に解消し、より柔軟で機動的な運営ができる」と説明した。坂井社長の就任1年目で過去の経営資源配分におけるミスマッチを解消し、4月からスタートする新中計を描きやすくする。中計策定に向けた金融庁との対話や、減損基準を変更するにあたっての監査法人との調整なども周到に進めてきたようだ。
 損失額が最も大きいソフトウェアは、すでに中核的な規制資本(CET1)から控除されており、資本面での影響は小さい。また、今回の損失計上はすでに想定されていた償却負担等の前倒し計上や含み損の顕在化がほとんどで、SBI証券の鮫島豊喜シニアアナリストは「経済的価値は変わらない」と評価する。

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この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年3月18日号(3300号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから