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2019.03.26.

三菱UFJがメス、崩れ始めた指定金融機関の手数料慣行

三菱UFJが一部指定金を辞退

三菱UFJ銀行が一部地方公共団体の指定金融機関(指定金)を辞退する動きなどを受けて、これまで無料または低廉だった指定金業務の手数料体系を見直す機運が高まっている。三菱UFJ銀行が指定金を辞退するのは、関西を中心とする約10の地公体。手数料の値上げ要請に応じてもらえなかったためだ。この動きを契機に、他行も手数料交渉に乗り出している。長年の慣行で不採算となっていた指定金業務の手数料体系。ついに打破できる兆しが見え始めた。

 「三菱UFJ銀行が口火を切ってくれたおかげで、地方公共団体との手数料交渉が進めやすくなった」。こう話すのは某地方銀行の幹部。三菱UFJ銀行が指定金になっている地公体に対し、税公金の収納業務等の手数料の値上げを強い姿勢で求め、実現にこぎつけている動きを歓迎する。
 地公体は、公金の収納や支払いに係る事務を取り扱ってもらう金融機関を指定している。この指定金制度は、地方自治法で都道府県には設置が義務付けられ、市町村は任意だがほとんどが指定している。多くの地公体は一つの金融機関と単独契約を結んでいるが、1年交代、2年交代など輪番制を敷くケースもある。指定された金融機関は県庁などに職員を派遣し、収納事務などを行う「派出」と呼ばれる業務を行う一方、公金を預金として引き受けることができる。
 かつては、派出業務や税公金の窓口収納を無料や低廉な手数料で引き受けても、公金預金を得られる恩恵や、地方債(縁故債)を随意契約で引き受けられるメリットがあった。地域金融機関では、指定金になることで当該地域のステータスを得る意味合いも強かった。だが、長引く低金利の中で、公金預金を引き受ける妙味は乏しく、縁故債の引受けも入札に変わった。指定金になることのメリットは薄れている。
 こうした背景のもと、金融機関は地公体に経費負担の見直しを求めてきた。だが、地公体も財政に余裕がないため、こうした要請に応じてこなかった。そこに風穴を開けたのが、三菱UFJ銀行だ。同行は全国約60の地公体の指定金を受託している。近年、派出に係る手数料の条件変更などを要請しており、多くの地公体で受け入れられてきた。一方で、受け入れられなかった地公体に対しては、一歩踏み込んだ要求を突き付けている。
 その一つが兵庫県芦屋市。同行は2018年3月、芦屋市に指定金融機関の受託に係る経費負担の条件変更を求めた。これまで芦屋市が同行に支払っていた費用は、わずか年間7万200円(公金収納6万7,500円、送金手数料2,700円)。これに対し、同行が求めた金額は派出費用1,500万円(1人当り400万円×2人分、現金輸送の警備費700万円)のほか、口座振替手数料1件当り10円、組戻しや訂正にかかる費用1件当り800円にのぼった。芦屋市が「条件変更には応じられない」と回答すると、同行は19年7月からの指定金辞退を決定。ほかにも、手数料の条件変更が受け入れられなかった兵庫県明石市、宝塚市、伊丹市、大阪府池田市、埼玉県所沢市など、10市程度の地公体の指定金を辞退することとなった。

手数料見直しのうねり・・・
外部委託でコスト削減の動きも・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年3月25日号(3301号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから