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2019.04.01.

消費税ポイント還元に翻弄される決済事業者の悩み

消費活性化とキャッシュレス決済普及の二兎を追う政策は吉と出るか(写真は経済産業省)。

10月1日の消費税率引上げと同時にスタートする「ポイント還元事業」。増税に伴う消費の落ち込みを食い止め、さらにキャッシュレス決済手段を推進させるという二つの目的を目指す施策だ。来年6月までの時限措置で、今年度分の予算規模は2,798億円。来年度分も含めると予算はさらに膨れ上がる。事業開始までの準備期間が少ないことから、キャッシュレス決済事業者は突貫工事の作業に追われ、いくつもの悩ましい問題も浮上している。


多様な還元方法を導入

 10月に予定されている消費税率の引上げまで半年を切った。政府は増税に伴う景気対策として、10月1日から来年6月30日までの9カ月間、「キャッシュレス・消費者還元事業」を実施する。消費者が中小・小規模事業者の小売店や飲食店などにおいて、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済といったキャッシュレス手段で代金を支払った場合、決済金額の5%分(コンビニやガソリンスタンドなどのフランチャイズチェーン店舗では2%分)をポイントで消費者に還元する。ネット通販などの非対面取引でも、売手が中小・小規模事業者の加盟店であれば還元の対象となる。
 ポイントでの還元だけではなく、クレジットカードの請求金額から対象決済金額の5%分を相殺したり、銀行口座にキャッシュバックしたりといった還元の仕方も可能だ。また、キャッシュレス決済事業者が中小・小規模事業者に対して認めれば、会計の際に決済金額から5%を割り引く還元方法も可能となっている。
 ただし、利用するキャッシュレス手段がポイント還元の対象となるためには、当該サービスを提供する決済事業者がポイント還元事業への参加を申請し、さらに中小・小規模事業者に課す加盟店手数料率を10月1日から9カ月間にわたって、一律3.25%以下に設定する必要がある。ポイント還元事業の期間中は、国が加盟店手数料の3分の1を、中小・小規模事業者に対して補助する。また、キャッシュレス決済に未対応の中小・小規模事業者が新たに店頭の決済用端末を導入する際、導入費用の3分の1を決済事業者が負担すれば、残りの3分の2を国が補助することになっている。
 経済産業省が行ったキャッシュレス決済事業者の第1次募集は3月20日に締め切られ、100社超の申込みがあった。クレジットカード会社では三菱UFJニコスやJCB、電子マネーではスイカを発行するJR東日本、QRコード決済ではペイペイやLINEペイなど、代表的な事業者が続々と申請している。ポイント還元事業に参加を希望する中小・小規模事業者の加盟店は、キャッシュレス決済事業者が4月以降に用意するWEBサイトから申込みを行うこととなる。


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この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年4月1日号(3302号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから