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2019.04.08.

相次ぐ銀行の業績下方修正、有価証券の益出しも限界に

銀行の業績予想の下方修正が相次いでいる。3月6日に通期の純利益予想を5,700億円から800億に引き下げたみずほフィナンシャルグループに続き、あおぞら銀行も3月22日、業績予想および配当予想を下方修正した。これをきっかけに、同行の株価は大幅下落。想定以上の減配が重しになった。益出しの余力も尽きかけており、地銀でも業績予想の下方修正が目立つ。従来の利益水準確保が難しくなるなか、経営の長期的な道筋を示すことが重要になっている。


市場の期待に応えられずあおぞら銀行株は大幅下落

 「しばらく買わなくていいというメッセージと受け止めざるをえない」(銀行担当アナリスト)──。あおぞら銀行は3月22日、2019年3月期の純利益予想を430億円から360億円に、年間配当予想を184円から154円(期末配当予想を64円から34円)に、それぞれ引き下げた。純利益は15年6月の公的資金一括返済時に掲げた財務目標(最低400億円の当期純利益)も下回る水準だ。
 業績不振の要因としては、地域金融機関向けのデリバティブ等の販売、投信販売などのリテール業務、トレーディング業務がいずれも振るわなかったほか、国内大口のLBO(買収ファイナンス)案件で一般貸倒引当金を積み増した。すでに18年12月期決算時点で、当期純利益が前年同期比11.4%減の297億円、通期業績予想に対する進捗率は69%にとどまり、四半期配当を前年同期の50円から40円に減額していた。今回の修正を受けて、同行の株価は3月22日の終値3,140円から29日の終値2,736円まで、1週間で12%以上も下落した。
 あおぞら銀行株が「配当株」であることも、株価が大幅に下落した背景にある。同行は19年3月期からの中期経営計画で「安定的な株主還元」の方針を掲げ、配当性向については「50%」から「50%程度」と改めていた。これにより市場では50%をかなり上回る配当性向を期待する向きもあり、「減益になっても配当性向を高めて減配を小幅にとどめるはず」との見方が強かった。
 ところが、今回公表された業績予想および配当予想では、市場の想定を大きく上回る減配となり、配当性向は50%に。「配当株としての粘り腰がなかった」(別の銀行担当アナリスト)ことから、引き続き40円を下回る四半期配当やさらなる減配が予想され、株価の大幅下落を招いた。
 同行が19年3月期からの中計で掲げた当期純利益430億円は、近年の実績と同水準で設定したもの。だが、18年6月期時点で株式の売却による利益の下支えが四半期純利益の約半分を占める51億円に上り、「厳しい状況は見えていた」(同)。18年12月期決算では株式等関係損益112億円を計上。保有するリクルート株式の含み益は200億円程度残るものの、有価証券全体では18年末に一時含み損になるなど、余力は限られる。
 同行のポートフォリオは米国を中心とする海外景気の減速にも大きく影響を受けることから、JPモルガン証券の西原里江シニアアナリストは「20年3月期以降、最終利益360億円の維持は難しい」と指摘する。3月22日には、将来的に新たな収益源となることが期待されるGMOあおぞらネット銀行への増資も公表したが、当面はコスト要因だ。

地銀では有価証券の益出しによる利益下支えが一服・・・
長期的な目線は人員計画でも重要・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年4月8日号(3303号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから