新聞の盲点

一般社団法人金融財政事情研究会創立と同時に創刊された、金融の専門週刊誌『週刊 金融財政事情』に掲載のある記事になります。

2019.04.15.

「持続可能性」の先送りを許さない早期警戒制度の見直し

どれほどの数の地域金融機関がステップ3に移行するのか?

金融庁は4月3日、中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針の改正案を公表した。「早期警戒制度」を見直し、将来の収益性と健全性をモニタリングする。地域金融機関は金融庁が唱えてきた「持続可能なビジネスモデル」という宿題の答えを迫られ、落第すれば業務改善命令が下される。今後は持続可能性という課題の先送りが許されなくなるが、ビジネスモデルのひな型があるわけではない。早期警戒制度見直しにより、地域金融機関も金融庁も新たな局面に足を踏み入れる。


「十手前」の警戒へ

 早期警戒制度は、自己資本比率が最低所要水準を割った際に発動される「早期是正措置」の対象とならない金融機関であっても、①収益性、②信用リスク、③市場リスク、④流動性リスクについて金融庁が定める基準に該当した場合に早期の経営改善を促すものだ。今回の見直し案は、そのうち①を「持続可能な収益性と将来にわたる健全性」に変更。将来の収益と自己資本比率もモニタリングの対象とする。 
 同制度の見直しの背景には、地域金融機関をとりまく環境の厳しさがある。制度導入時のような不良債権問題はおおむね解消された一方、人口減少や超低金利によって地域金融機関の収益環境は悪化している。このような状況では、足もとでは自己資本比率を維持していても、恒常的に収益が悪化すれば将来の健全性に懸念が生じる。
 金融庁は今回の見直しについて、「改善・改革は、当初はコスト増になったり成果の実現までに時間がかかったりするため、打つ手は早いほうがいい」と説明する。いわば危機に備えた「詰み一手前の警戒」を、「十手前」(金融庁関係者)に変えることが見直しの主眼だ。

将来見通しが立たなければ行政処分も・・・
合併・統合が有力な選択肢に・・・

この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年4月15日号(3304号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから