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2019.06.03.

SBGのヤフー孫会社化で問われる親子上場のガバナンス

〔図表〕3社の関係図(議決権保有割合)

ソフトバンクグループ(SBG)傘下の通信事業会社ソフトバンクは5月8日、同じくSBG傘下のヤフーを連結子会社にすると発表した。これまで3社は親・兄弟関係での上場だったが、今後は「親・子・孫」での上場になる。親子上場を巡っては、子会社が親会社の利益を優先することで、一般株主(少数株主)との間で利益相反になるリスクが指摘されてきた。今回のスキームもSBGの資金調達という思惑が見え隠れする。子会社の少数株主を守る仕組みづくりが問われている。


「親・兄弟」上場から「親・子・孫」上場へ

 SBGが、ヤフーをソフトバンクの連結子会社にするグループ再編を打ち出した。現在、ソフトバンクとヤフーはSBGの連結子会社。6月末にヤフーが発行する新株をソフトバンクが引き受けるとともに、ヤフーが実施する自社株TOBでSBGが全保有株式を売却することで、ヤフーはソフトバンクの連結子会社(SBGの孫会社)になる(図表)。ヤフーの上場は維持され、これまでの「親・兄弟」関係の上場から、「親・子・孫」での上場になる。
 ソフトバンクがヤフーを連結子会社化するにあたり、SBGの持分をソフトバンクに譲渡するスキームにしないのは、親会社と上場子会社との相対での取引を避けるためだ。親子上場を巡っては、子会社が親会社の利益を優先することで、一般株主(少数株主)との間で利益相反になるリスクが指摘されている。とりわけ、不動産取引や現金の預入れといった直接取引のほか、事業譲渡・事業調整、完全子会社化などの場面で起きやすい。
 今回は、「ヤフーと当社(ソフトバンク)で話合いをしてスキームを検討したあとに、SBGに相談をした」(ソフトバンクの宮内謙社長・CEO)という。SBGの孫正義会長兼社長はソフトバンクの取締役会長およびヤフーの取締役も務めているが、本件に関する両社の役員会での討議・議決には出席していない。あくまでもSBGの意向によるグループ再編ではなく、各子会社の判断というかたちだ。

透けて見える資金調達の思惑・・・
少数株主の利益をどう守る?・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年6月3日号(3310号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから