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2019.07.29.

ダウ最高値更新も、逆イールドに怯える緩和相場の賞味期限

史上初めてダウ平均株価が2万7,000ドル台に達し、絶好調に見える米株市場。背景には、景気拡大局面にかかわらず7月末に実施されるとみられる利下げ(金融緩和)への期待があり、「ミニバブル」を指摘する声もある。米国では過去2回の利下げ局面でも株高になったが、いずれも長続きせず、1カ月程度で反落に転じている。「逆イールド」のシグナルも点灯しており、株価の行方を左右する米景気にも暗雲が立ち込める。米緩和相場の賞味期限は、そう長くはないのかもしれない。


バブル化する米株式市場
 ダウ平均株価は7月11日、史上初めて2万7,000ドル台に乗せた。背景にあるのは、FRB(米連邦準備制度理事会)が実施するとみられる政策金利の引下げだ。米景気の先行きに不透明感が強まるなか、FRBではクラリダ副議長をはじめとする高官が「予防的な利下げ」に踏み切る姿勢を鮮明にしている。利下げによって景気の悪化を防ぎ、好調な米経済がさらに持続することへの期待から、米株市場への資金流入が続いている。
 市場では、7月30、31日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げが決定されることを確実視しており、むしろ焦点はその利下げ幅。25bpか、50bpかに気をもんでいる。今回は25bpの利下げが濃厚だが、9月か10月にも「さらに25bpの利下げを実施する」(智剣・Oskarグループの大川智宏CEO)との見方が有力だ。7月に25bpの利下げが実施されたあとに、FRB高官からさらなる利下げが示唆された場合、大川氏は「ダウ平均株価は2万8,000ドル台に達する」と予想する。
 7月以降に実施されるとみられる利下げは、あくまで景気の不透明感に対する「予防的」な措置であり、景気悪化ペースに応じて段階的に実施する従来型の利下げとは意味合いが異なる。それゆえ、景気拡大局面での利下げは「バブルを助長しかねない」(日銀幹部)。すでに、「他国に比して米国株が消去法的に買われるミニバブルが起きている」(大川氏)といい、とりわけヘルスケアのようなディフェンシブ業種は、高止まりする債券の代替として買われやすい。景気拡大が続くなか、FRBが利下げという“アクセル”をさらに踏むことで、米株市場では高値を追う動きに弾みがつきそうだ。

逆イールドの呪い・・・
株価の行方を左右する米景気に暗雲・・・



この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年7月29日号(3318号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから