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2019.08.26.

みんなの銀行設立で地方銀行の殻を破るFFG

ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)は8月7日、来年度にインターネット専業の「みんなの銀行」を設立することを発表した。スマートフォンでの利用を念頭に置いたモバイル専業銀行として全国展開する。営業エリアが特定の地域に限られてきた地銀にあって、みんなの銀行はその殻を破る試みといえる。クラウド基盤でゼロから勘定系システムを構築するため、従来の銀行とは一線を画す機動力が強みになる。BaaS型ビジネスなどの展開によって新たな収益の獲得を目指す。


地銀が全国で勝負する初の事例

 みんなの銀行が主要な顧客基盤として想定するのは、インターネットサービスに親しみのある全国の若い世代だ。モバイル専業のネット銀行を設立する背景には、若年層の銀行離れや、LINEの銀行業参入といった異業種が手掛ける金融業への危機感がある。さらに、「地方圏ではマーケットがシュリンクしていくことが想定されている。銀行としてせっかくデジタル化に取り組んでもパイが小さくなるのでは持続的な成長が描けない」(FFG事業戦略部の永吉健一氏)という問題意識もあった。みんなの銀行設立準備会社の代表を務めるFFG取締役の横田浩二氏は、「お客さまのニーズに応えるため“まったく新しい”将来の銀行をゼロベースで追求する」と説明した。
 地銀によるネット銀行の設立は、みんなの銀行が初めてだ。既存銀行によるネット銀行の設立は他国でも見られ(43頁参照)、IT企業などが提供するフィンテックサービスに対抗する切り札とされている。仮にみんなの銀行が規模を拡大すれば、FFG傘下の既存銀行とカニバリゼーションが発生するおそれがある。しかし、そうした際には「既存の銀行は企業向け融資などの機能に集中させていけばよい」(京都大学公共政策大学院・岩下直行教授)。
 例えば、NTTグループでも、携帯電話が普及する中で固定電話に関しては新しいサービスを打ち出さず、担当する人員も減らしてきた。その代わりに、固定電話よりニーズも収益性も高いスマートフォンを扱うNTTドコモの事業を拡大させている。岩下教授は「銀行でも同様の変化があってしかるべき」と指摘する。
 とりわけ営業エリアが特定の地域に限定される地銀は、人口減少や高齢化による市場規模の縮小という事態に直面している。金融サービスの多くがアプリで簡単に完結するようになるなか、若年層を中心とする顧客がメガバンクやフィンテック企業などに奪われることへの懸念も高まっている。「従来のブランチバンキングの付け足しのような取組みではなく、重要な戦略としてデジタルバンクをとらえなければならない」(岩下教授)状況といえる。


既存銀行を圧倒する機動力・・
BaaS事業への期待・・

この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年8月26日号(3321号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから