きんざい Online

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2019.09.09.

金融庁の行政方針、粛々と進める地銀再編の地ならし

金融庁は8月28日、2019事務年度で取り組む重点施策をまとめた「金融行政のこれまでの実践と今後の方針」(行政方針)を発表した。なかでも踏み込んだ内容になっているのが、地域金融機関に対する規制・監督のあり方だ。地銀の業績不振が一段と深刻になっている現状を浮き彫りにし、地銀再編の“地ならし”と見られる文言をちりばめた。地銀が再編を含めたビジネスモデルの抜本的な見直しに踏み込めるよう、金融庁の準備には余念がない様子がうかがえる。



ノルマ至上主義の排除に動く金融庁

 今回の行政方針における地銀向けの重要ポイントの一つが、経営理念と整合的な経営戦略・計画を策定し、それを適切に実行できているかどうかだ。例えば、「お客さま中心主義」に徹すると謳いながら、期末になるとリスク性金融商品の販売額が増加している金融機関はめずらしくない。こうした実態からは、経営理念が組織全体に行きわたらず、営業目標の達成に重きが置かれている様子がうかがえ、金融庁の遠藤俊英長官は「ノルマ至上主義こそが撹乱要因」との問題意識を強く持っている。
 金融業界では近年、スルガ銀行や日本郵政など、行き過ぎたノルマに追われた現場の焦りが不正の温床になっている事案が目立つ。金融庁では「ノルマが幅を利かせて経営を揺るがす事案をこれ以上起こさせるわけにはいかない」(幹部)と、その警戒感は最高潮に達している。なかには「営業店にもっと自主裁量を認めるべき。場合によっては営業店を本部から切り離して分権化させたほうがよいのでは」との声もあるという。その背景には、「商品ありきの数値目標といった圧力がなければ、営業職員は自ずと顧客本位であろうとする」(同)という性善説があるようだ。
 行政方針では、こうした状況を是正する監督のアプローチとして、「地域金融機関の各階層(経営トップから役員、本部職員、支店長、営業職員)、社外取締役とフラットな関係で対話を実践していく」と明記した。さらに、本部と支店や役職員間で自由闊達に議論できる「心理的安全性」の確保が重要だとし、金融庁は対話を通じて、その環境整備の重要性を金融機関に説いていく構えだ。

探究型対話に怯える金融機関も・・・
20年越しの可変料率導入なるか・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年9月9日号(3323号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから