きんざい Online

スマートフォン、PCで、『週刊金融財政事情』の記事が読み放題(月額会員1,320円/月)になりました。記事単位での購入も可能です。※「週刊金融財政事情」は1950年に創刊された、金融界と歩みをともにしてきた日本で唯一の金融専門誌です。

2019.11.18.

強気のソフトバンクに「第2のウィー」リスク

ソフトバンクグループ(SBG)の2019年7~9月期連結決算は、四半期ベースで創業以来最大の赤字となる7,001億円の純損失となった。ファンド事業の投資先である米シェアオフィス大手「ウィーワーク」の経営悪化と追加支援が原因だ。それでも孫正義社長は「反省はしているが、委縮はしていない」として強気の姿勢を崩していない。AI革命を錦の御旗にハイリスク投資へと突き進む孫氏の投資戦略には、「第2のウィー」を生み出す危険性もはらむ。

過大評価と統治不全で投資失敗

 「マイナス部分に目をつぶってしまったことは反省している」。巨額赤字の原因となったウィーへの投資について、11月6日に行われた19年9月中間連結決算の記者会見で孫社長は反省の弁を繰り返した。
 ウィーワークはビルに部屋を借りて起業家らにワークスペースを貸し出すビジネスモデルで知られる。「クールなデザイン」のオフィス演出が若者を引きつけ、29カ国111都市で528カ所の拠点を展開。SBGは本体とソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)を通じて約1兆円を投資、ウィーワークが上場すればユニコーン企業として巨額の利益を手にするはずだった。
 だが、創業者アダム・ニューマン氏の強過ぎる権限や公私混同の疑いがある取引が問題視されて9月に上場計画が撤回されると、信用力の低下から経営が急速に悪化した。SBGは本体だけで約1兆円の追加支援に踏み切り、過半数超の株式を取得してニューマン氏から経営権を?奪。SBGが買収した米携帯大手スプリントのトップだったマルセロ・クラウレSBG副社長をウィーワークの会長に送り込み、ガバナンスと経営の立て直しを急いだ。
 ウィーワークへの投資が失敗した理由について、孫社長は過大評価とガバナンス不全を挙げる。9月末時点で78億ドル(約8,600億円)とされたウィーワークの企業価値はかつて470億ドル(約5兆1,700億円)と評価されていた。シェアオフィス事業を展開する同業他社と比べて突出していたが、孫社長は「プロダクトはすばらしい」とほれ込んだ。ニューマン氏の経営手腕に期待するあまり、上場延期になるまでガバナンス問題に気付かなかったという。

ウィーワーク支援は「例外」・・・
リスクはらむ「主観」・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年11月18日号(3332号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから