きんざい Online

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2019.12.09.

明暗が分かれそうな改正債権法の金融2大テーマ

来年4月1日に改正債権法(民法の契約等に関する部分)が施行される。金融取引への影響は大きく、なかでも金融機関にとって2大テーマといえる改正が「第三者保証の弊害の除去」と「債権譲渡取引の活性化(中小企業の円滑な資金調達)」だ。前者は改正法の狙いどおり「第三者保証は極めて抑制的になる」とみられているが、後者については「譲渡制限特約付きの債権譲渡はさほど広がらない」という見方も多い。約120年ぶりの大改正となる改正債権法の行方を追った。


大きな負担となる保証の意思確認手続き

 改正債権法で金融取引に大きな影響を及ぼす見直し内容の一つが、「第三者保証の弊害の除去」だ。改正債権法では、運転資金や設備資金、アパートローンなどの事業性資金の融資において、「経営者等」以外の個人から保証を得る場合には、保証人になろうとする者(保証人予定者)が公証役場(公証人が執務する事務所)で保証の意思を明らかにする公正証書を作成しなければならなくなる。金額に関係なく、保証契約締結日前の1カ月以内に公正証書を作成しなければ、保証契約の効力は生じない。新規借入れ時の保証契約はもちろん、条件変更時も保証人予定者は公証役場に足を運ばなくてはならない。
 だが、全国に約300カ所ある公証役場は都市圏に集中しており、県内に2カ所のみが8県(秋田、山梨、奈良、島根、香川、高知、佐賀、沖縄)、徳島県にいたっては1カ所しかない。こうした地域では「公証役場に行くだけで一日仕事になってしまい、保証人には大変な負担となる」(地銀融資担当者)。
 保証人予定者に対して主たる債務者からの情報提供義務が設けられたことも、第三者保証の枠組みに大きな影響をもたらす。主債務者が保証予定者に保証を委託する際、自己の財産や収支の状況などについて情報提供を行うものだが、金融機関にも一定の関与が求められる。主債務者が情報提供義務を適切に履行しない場合、保証契約自体が取り消される可能性があるため、「金融機関としてもノータッチというわけにはいかない」(地銀幹部)からだ。
 そこで、金融機関の実務としては「一定の情報提供が行われたことを主債務者と保証人予定者の双方にサインしてもらう」(同)といった対応が検討されている。ただ、「実際に紛争になったとき、サインをもらったからそれでよいかどうかは判然とせず、結局は裁判例の積み重ねで見えてくる」(大手行法務担当)と考えられている。

第三者保証は消滅に向かうか・・・
どこ吹く風の建設業界・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2019年12月9日号(3335号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから