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2020.01.21.

“口座離れ”が危惧されるデジタルマネー給与支払い解禁

 政府は昨年12月、現金または銀行・証券口座に限られてきた給与支払いについて、デジタルマネーでの支払いを認めることを決めた。2020年度の早期解禁を目指す。スマートフォンのウォレットをはじめとした、資金移動業者が発行するアカウントへの給与振込が可能になる。一方、「給与口座」として新規顧客を労せず獲得してきた銀行界は、今回の規制緩和に警戒を強める。ポイント還元によるインセンティブなどが働けば、徐々に口座離れが進む可能性もありそうだ。

すでに海外では実施

 日本における給与支払いの方法は、労働基準法24条に定められている。そこには五つの原則が規定されており、①通貨で、②直接労働者に、③全額を、④毎月1回以上、⑤一定の期日を定めて支払わなければならない、とある。条文に「通貨で」とあるため現物支給は禁じられており、「直接労働者に」とあるため、現金での支払いが通則となっていることがわかる。ただし、労働基準法施行規則7条の2に「例外規定」が定められており、労働者本人の同意があれば、銀行口座や証券総合口座への振込も例外として認められている。つまり、日本での給与支払いは現金か口座振込に限定されているのだ。
 一方、海外に目を移すと、米国や英国、シンガポールなどの諸外国では、現金や銀行口座以外への給与支払いも可能であり、資金移動業者が発行するペイロールカード(給与支払いのためのカード)などへの支払いは一般的になっている。日本でも今や、コード決済などのデジタルマネーは日常生活の支払い手段として欠かせない存在だ。
 こうしたなか、安倍晋三首相が議長を務める内閣府の国家戦略特別区域諮問会議は12月18日、デジタルマネーによる給与支払いを規制改革事項として決定。労働基準法施行規則を改正し、ペイロールカードやスマホのウォレットといった資金移動業者が発行するアカウントへの給与支払いが、2020年度の早期に解禁される見通しとなった。

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この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2020年1月20日号(3339号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから