きんざい Online

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2020.02.03.

1冊1,000円払ってでもやめたい通帳発行

三菱UFJ銀行などが、紙の通帳からインターネット通帳へ切り替えた顧客に500~1,000円相当を贈呈するキャンペーンを企画している。印紙税や用紙・印刷の費用などコスト負担が重い通帳発行を減らす意味では、十分に“元が取れる”施策だ。インターネット通帳の利便性向上もあって、利用者の反応は想定以上。通帳発行のコストを巡っては、本来は手数料徴求などにより利用者に負担を求めるのが筋だとも考えられ、キャンペーンはその布石にもなりそうだ。

印紙税だけで年間60億円

 三菱UFJ銀行が実施しているキャンペーンの対象は先着10万名で、総額は1億円。1月24日から3月15日までのキャンペーン期間中に、WEBサイト上でのキャンペーンへの参加登録と、インターネットバンキングでインターネット通帳に切り替える手続きの二つを完了すれば、3月末に1,000円が振り込まれる。すでにインターネット通帳を利用している顧客は今回のキャンペーンには参加できない。
 横浜銀行では、口座残高3,000円以上(翌月末時点)の顧客を対象に、インターネット通帳(WEB口座)に切り替える顧客に500円分のアマゾンギフト券を贈呈する。同行では人数の上限を設けず、2月3日から5月30日の期間中にキャンペーンに参加したすべての顧客が対象になる。りそな銀行と埼玉りそな銀行でも、昨年11月1日から今年4月30日までにインターネット通帳に切り替えるすべての顧客に500円相当の自社ポイントを付与するキャンペーンを実施している。
 このうち三菱UFJ銀行は1月23日までに開設された口座のみをキャンペーンの対象としており、通帳コストを削減する意図がより明確だ。通帳発行にかかる金融機関の負担は重く、まず1年当り1口座200円の印紙税がかかる。三菱UFJ銀行の場合、3,400万の個人口座のうちインターネット通帳の利用口座(無通帳口座)は1割程度で、今でも印紙税だけで年間60億円程度を負担している計算になる。加えて、特殊な用紙や印刷にかかる費用も大きい。通帳を全面的に廃止しなければATMや機器の運営などにかかる固定費は削減できないが、無通帳口座を増やすことによる変動費の削減効果は大きく、1口座1,000円を支払っても数年で元が取れそうだ。

1,000円の理由・・・
「北風と太陽」・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2020年2月03日号(3341号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから