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2020.02.17.

かすむポスト安倍、混沌とする後継者争い

来年9月に自民党総裁3期目の任期満了を迎える安倍晋三首相(65)の後継者が定まらない。候補とされる岸田文雄自民党政調会長(62)や石破茂元幹事長(63)、菅義偉官房長官(71)、小泉進次郎環境相(38)らは、いずれも長期政権を実現した安倍首相の後ではかすみがちだ。相次ぐ不祥事による支持率低下で首相の悲願である憲法改正に道筋を付けるのが困難になるなか、森喜朗元首相が4選支持を表明。「ポスト安倍」と政局の行方は混沌としてきた。


禅譲狙う岸田氏に批判も

 「大変誠実で、相手を尊重される方。岸田氏といると居心地がいいと感じる人が多い」。昨年12月末の民放のBS番組に出演した安倍首相は、岸田氏をこう評した。自民党の最古参派閥「宏池会」を率いる岸田氏は首相の「意中の人」とされる。
 安倍首相は昨年11月、第1次政権と合わせた通算在職日数で歴代1位の桂太郎を抜いた。自民党則は総裁任期を連続3期9年と定めており、残りあと1年半。首相の言葉の端々に信頼する岸田氏への期待がにじむ。
 岸田氏は首相と同じ1993年初当選。代議士だった父親の逝去を受けて立候補するという政界進出の経緯も同じだ。首相は2012年12月の第2次政権後、岸田氏を外相、党政調会長という要職で処遇しており、現政権の政策を継承してくれるとの思いは強い。安倍氏には、政権を禅譲すれば、キングメーカーとして引き続き力を保てるとの思惑もあるとみられる。
 政策通で鳴らす岸田氏は昨年、経済対策の取りまとめに奔走。最近では、新型コロナウイルスによる肺炎の緊急対策案を首相に提言した。宏池会は憲法9条改正に慎重な議員が多いが、「憲法に関する議論も目に見えるかたちで動かしていきたい」と語るなど、総裁選のカギを握る保守派へのアピールにも余念がない。
 ネックは発信力だ。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相は月刊誌「文藝春秋」3月号で、ポスト安倍について「岸田さんしかいない」としつつも、「恥ずかしがり屋のところがある。なかなか自分を出そうとしない」と評した。次期首相を問う世論調査では、石破、小泉両氏よりも下位に甘んじることが少なくない。岸田氏が自ら政権を勝ち取るよりも、「禅譲」を狙っているとの見方が有力なのはこのためだ。
 政権禅譲には、「(棚から)ぼた餅が降ってくるのを待っていても駄目」(二階俊博幹事長)、「時の権力者からの禅譲はあり得ない」(古賀誠元幹事長)など批判も根強い。岸田氏は首相になって何をやろうとしているのかが見えづらいことも、知名度が上がらない理由になっている。

反安倍頼みの石破氏、「令和おじさん」失速・・・
政権禅譲なら短命か・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2020年2月17日号(3343号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから