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2020.03.09.

新型肺炎で泣きっ面に蜂、ゆうちょ銀にも営業不振の火の粉

かんぽ生命保険の2019年4~12月期決算で、新規契約件数が前年同期比52.1%減の63万件、新契約の保険料(年換算)も47.4%減となった。かんぽ生命と日本郵便は今年度内の新規保険販売の業務停止を命じられており、新規契約の大幅な落ち込みが中期的な収益の重しになることは必至だ。問題が収束するメドは立っておらず、販売再開の時期も見通せていない。その上、“コロナショック”によって、ゆうちょ銀行にまで営業不振の火の粉が降りかかろうとしている。


顧客を食い物にしてきた営業実態

 日本郵政は昨年7月、顧客の不利益が疑われる契約が18.3万件(契約者数は15.3万人)に上ることを発表し、これを「特定事案」として集中的に調査してきた。2月19日現在、特定事案の中で契約者が法令や社内規定への違反を訴えた1万3,272件のうち、6,582件で判定作業を終えている。その結果、法令違反が153件、社内規定違反が1,608件となった。まだ調査は継続しており、違反件数は今後さらに膨らむ見通しだ。
 今年1月31日には、特定事案のほかに、顧客の不利益が疑われる契約が新たに22万件(契約者数は5.9万人)あることが分かった。こちらは「新たな調査事案」として公表され、まさに「顧客を食い物にする手口が常態化」(弁護士)していた。特定事案では、保険料の「二重払い」や「無保険状態」といった契約状態で抽出したのに対し、新たな調査事案では、実績目当てに被保険者を変える「ヒホガエ」や契約と解約を多数繰り返す「多数契約」、保険料が高額な「多額保険」など、まさに手口で洗い出している。
 特別調査委員会(委員長・伊藤鉄男弁護士)が昨年12月に公表した報告書によれば、日本郵便の社員4万人が回答したアンケートのうち、1.7万人が「ヒホガエ」を自ら行った、あるいは職場で見聞きしたと答えている。「多数契約」については、過去5年間で10件以上の新規契約を結び、その3割以上が消滅(解約、失効、減額など)したものと定義しており、契約対象者は6,000人に上る見込みだ。このうち、15件以上加入かつその半数以上が消滅している悪質なケースに遭った契約者は897人。
 ある大手生保幹部は「当時のかんぽ生命の規定では、契約から2年以内で解約されると、渉外社員は契約獲得で受け取った営業手当を返還することになっていたので、3年目以降に解約と契約を仕掛けている事例が目立つのではないか」と指摘する。


大量の社内処分に立ちはだかるJP労組・・・
コロナショックで投信顧客からクレームの嵐?・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2020年3月9日号(3346号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから