きんざい Online

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2020.03.30.

邦銀決算への影響が見え始めたコロナ関連損失

新型コロナウイルスの感染拡大が経済危機の一面を見せ始めるなか、銀行決算への懸念が広がり出している。世界各国の株式市場における驚愕の株価下落をはじめ、リートや原油価格も歴史的な下げ相場となり、保有資産の損失リスクが高まっているためだ。中長期的には、融資先の業績悪化に伴う与信費用の増加も避けられそうにない。超低金利環境のなか、市場運用と低水準の与信費用が銀行決算を支えてきたが、コロナショックによって「頼みの綱」まで失いかけている。


虎の子のJリートが決算の悪材料に

 世界的な新型コロナウイルスの感染拡大による市場の動揺が収まらない。世界的なリスクオフの流れからドル資金を確保する動きが加速し、みずほ証券チーフクレジットストラテジストの大橋英敏氏は「決算や手元資金確保のため利益が出るアセットほど売られている」と指摘する。
 バリュエーションを無視した金融資産の投げ売りが続くなか、機関投資家の顔も持つ銀行の期末決算への影響に注目が集まり出している。直近で目立った動きは、Jリート(不動産投資信託)の急落に伴う地銀の損切りだ。東証リート指数は直近の高値(終値)である2月20日の2,250.65ポイントから、3月19日には1,145.53ポイントまで急落。この日は2003年の指数算出以来、最大の下落幅となる前日比19%安となった(図表)。SMBC日興証券の鳥井裕史シニアアナリストは、「地銀によるJリートの投げ売りが目立つ」と話す。
 Jリートの市場規模は2月下旬時点で約17兆円あり、このうち1~2割を地銀など地域金融機関が保有していたとみられる。世界的な低金利が続くなか、年4~5%の分配金利回りが出ていたJリートは地銀の運用部門の「虎の子」。円建てでリターンを取ることができ、東京五輪後も大阪万博、統合型リゾート(IR)構想、リニア延伸といった長期的な成長戦略のもとで安定運用が見込まれていた。
 ところが、「コロナショックと五輪延期リスクによって市場の期待が剥落」(東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテジスト)。わずか1カ月で東証リート指数は半値近くにまで急落し、Jリートを多く抱えている地銀では、ロスカットルールに伴う損切りや3月期決算で減損に至りかねない憂き目に遭っている。

大手行は海外子会社の「のれん」で減損リスク・・・
与信費用の大幅増は不可避か・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2020年3月30日号(3349号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから