きんざい Online

スマートフォン、PCで、『週刊金融財政事情』の記事が読み放題(月額会員1,320円/月)になりました。記事単位での購入も可能です。※「週刊金融財政事情」は1950年に創刊された、金融界と歩みをともにしてきた日本で唯一の金融専門誌です。

2020.04.06.

信用保証料の無料化も、異次元の領域に突入する企業救済

新型コロナウイルスの感染拡大の影響から資金繰りを懸念する企業が増加しており、金融機関はその対応に追われている。政府はリーマンショック時を超える巨額の経済対策を検討しており、民間金融機関での無利子融資や信用保証料の無料化などが検討されている。“異次元の融資制度”によって企業の資金繰りは一息つきそうだが、企業の債務も膨れ上がる。元金返済の出口戦略には困難を伴うが、事態の深刻化により過去に例のない経済対策に突き進まざるを得ない状況だ。


懸念される公庫のパンク

 新型コロナウイルスの感染拡大による企業の業績悪化に伴い、民間や政府系の金融機関に融資の申し込みが殺到している。なかでも雪崩を打っているのが、主に小規模事業者向けの融資を実行している日本政策金融公庫「国民生活事業部」の窓口だ。公庫は250名以上の本部職員のほか、採用した約50名のOBを支店に派遣するなどして、迅速な対応を心掛けている。
 「融資実行まで通常2~3週間はかかるが、500万円以下の融資は徴求書類を削減するなどして早ければ4~5日で実行できるよう短縮化に努めている」(日本公庫関係者)というが、融資審査のキャパシティーを超える懸念も浮上している。
 日本公庫が1月29日に相談窓口を設置以降、融資申請が相次いでおり、3月23日時点で融資申請が4万6,399件(約7,727億円)、融資決定件数が2万1,915件(約2,195億円)に上った。その後、東京都などが外出自粛を呼び掛けたこともあって、企業の資金繰りが一段と悪化。わずか1週間後の3月29日には、日本公庫への融資申請が7万6,093件、融資決定件数が4万5,366件(金額は非公表)にまで急増しており、今後も著しい増加が予想されることから、「日本公庫の融資審査がパンクするのではないか」(民間金融機関)という不安が生じている。
 こうした状況を受けて、みずほ銀行は3月31日から日本公庫の「感染特別貸付」について、申込書類の確認や日本公庫への書類提出の取り次ぎなどを全店で始めており、三菱UFJ銀行でも基幹店42カ店で同様の扱いを行っている。ただし、取り扱うのは書面の取り次ぎまでで、審査をするのは日本公庫。公庫の支店関係者は「すでに窓口で対応できる件数を超えている」と言い、「信用保証協会のセーフティーネット保証の活用を案内するなどして、暗に民間金融機関の融資に誘導している」と打ち明ける。
 もっとも、民間金融機関にも信用保証協会のセーフティーネット保証や自治体の制度融資に関する問い合わせが相次いでいる。民間金融機関を窓口とする保証申請は「3月から前年同月比で倍増している」(西日本の信用保証協会)といい、当初は飲食、宿泊業関連の申請が多かったが、3月半ばからは製造業などの申請も目立つという。広範な産業に影響が波及している実態がうかがえる。
 ただ、信用保証協会の保証審査もスムーズに進んでいない。ここ数年、金融機関は金融庁の推奨する事業性評価を行い、担保・保証に過度に依存しない融資を進めてきた。そうした中で信用保証協会に企業情報が蓄積されなくなっており、「審査に時間がかかるようになっている」(信用保証協会の審査担当者)という。「金融機関から申請されて初めて名前を聞く企業が大半。好況時でもお付き合いで保証協会を使ってもらっていれば、審査もスムーズにできるのだが」(同)と困惑を隠さない。


リーマンショックを上回る規模の経済対策・・・
難しい出口戦略・・・


この記事の続きは『週刊 金融財政事情 2020年4月6日号(3350号)』に掲載されております。『週刊 金融財政事情』の詳細はこちらから